生徒会日和。 41
―さて、それから数日。
今日は体力テストが行われた。
午前中に50m走や反復横跳びなどの記録を測定し、午後は持久走を行う。
僕は一応運動部の人間なのでそこそこ体力には自信がある。
ただ、この桜樹台という高校自体は男子の受け入れが初年度で、その男子の運動能力はあまり高くない…それが現状だったりする。
で、午後の持久走。
僕は無難にこなすことが出来たのだが、同じ生徒会のメンバーである熱田さんが、タイムの測定中に倒れてしまったのだ。
測定が終わった後、春田さんと一緒に保健室に向かう。
「今日は暑かったからね」
「もともと身体が弱かった、って聞いたことがあるんだ…」
春田さんは熱田さんについて、いろいろと教えてくれた。
保健室。
養護担当の土岐美月先生が一人、イスに座っている。
「土岐先生、熱田さんは…」
「大丈夫だよ。軽い熱中症じゃないかな」
熱田さんはベッドで眠っていた。
そこに
「葵ちゃんは大丈夫かしら?」
真希さんがやってきた。
「ああ、樹くんと茜ちゃんも来てたのね」
「真希さんも?」
「同じ生徒会の仲間が倒れたと聞いたら、心配になるじゃない」
真希さんは椅子に腰掛ける。
「生徒の運動能力アップを目標としているのに、生徒会役員が倒れてちゃ、説得力がないわね」
「あんまり無理するのもよくないと思うよ」
土岐先生が言う。
「うう〜ん…」
そんなやり取りをしていると、熱田さんが目を覚ました。
「あ、樹くんと茜ちゃん…それに真希さんも」
「お目覚めね。大丈夫かしら?」
真希さんが優しく声をかける。
「は、はい…すいません」
「倒れたと聞いて、ビックリしたのよ」
「ああ…すみません…」
真希さんは優しく微笑んだまま。
「別に謝ることはないけど。葵ちゃんも、無理はしないでね」
「はい…」
「これから生徒会の会議だけど、葵ちゃんは帰ったほうが良いんじゃない?」
「い、いえ、もう大丈夫です…私、出ます」
「熱田さん、無理しなくても…」
僕も思わずそう言ってしまう。
「いや、身体使うわけじゃないし、生徒会には、参加したいから…」
熱田さんも結局一緒に生徒会室に向かうことになった。
「今日の議題は決まりかな」
生徒会室に向かう途中、真希さんが呟いた。