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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 37

「…いじめとかじゃなければいいんだけどね」
カレーライスを食べながら、歩さんがため息をつく。
「…うちの学校でそんなことはねぇ」
それはないでしょう、と思うのだが。

「暗い過去を思い出さないように」
「そういうつもりじゃ」
美郷さんが歩さんを諭すように言う。

…暗い過去?
歩さんももしかして…
でも、美郷さんやちひろさんは歩さんの古くからの友人だったから…

「あの、歩さんの…」
「あー、まあ、しょうもないことなんだけどね」
「…結構傷ついてたんだぞ」
美郷さんが語り始める。

その『過去』とは、中学の体育祭で、歩さんが最後のクラス対抗リレーでトップを走っていたときに転倒し、結果最下位に負けてしまったとのこと。
『戦犯』の歩さんに対する風当たりが厳しくなり、歩さんは一時期不登校に陥ってしまったという。

「そんなことが」
「…たかが負けただけで、って私は思ったんだ」
「そうですね」
「…運動は苦手なんだ。ホントはやりたくないけど、その種目は全員参加でね」
「なるほど」
辛い過去だからか、歩さんの声も表情も沈んでいた。

「まあでも、辛い過去を持ったこの子も今では立派な生徒会長である」
「それは…学校のシステムが…それに、美郷とちひろがいなかったら…」
歩さんはいいご友人に恵まれているんですね。

「んー…その子、放課後来てくれるかな」
「まあ、一応期待しましょう」
「私も来ていい?」
「いや、来て欲しい。美郷もちひろも」

どうやら、あのお二人は今日も生徒会室に来るようだ。
「じゃ、樹くん、また放課後ね」
「はい」

―そして時間が経ち、放課後。
「樹くん、行こっか」
「ん、朝日さんを連れて行くのは?」
「うん、茜も一緒だから」
春田さんを含めた3人で、まずは朝日さんを呼びに行く。

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