生徒会日和。 36
「何か見てたの?」
「いや…昨日、会議の中で言ってた、朝日さんって」
「あぁ」
「彼女じゃないかな、窓際の奥のほうの」
「あー…うーん、そうだっけな…でもすっごく可愛いよね」
「まあね」
そう、何か寂しいと言うか、悲しいと言うか、そういうオーラはあるけど朝日さんはかなりの美少女だった。
何故、彼女は今が『楽しくない』と思うようになってしまったのだろう?
「今日体育あるから、そこで話してみようと思う」
「うん、任せた」
いつの間にか、同じクラスでもある熱田さんとは良いコンビになったみたいだ。
―その体育の授業のあと。
「熱田さん」
「うん?」
「朝日さんとは約束できた?」
「あー、うん。一応、放課後に来てもらえるみたい」
「話してみて、どんな人だった?」
「うーん…普通の子なんだけどなぁ…」
まあ、一見普通の子でも裏では…ってのはあるし、朝日さんもそのタイプなのだろう。
―さて、これから昼休み。
僕は学食に向かう。
注文したメニューをとって、一人で食べていると
「おっ、樹くんだー」
美郷さんがやってきた。
「この席良い?」
「どうぞ」
「後で歩も来るから」
「そうですか」
「いつも食堂?」
「ええ」
「まあ、たくさん来るから樹くんがいてもわからないか」
ちょっとの間、美郷さんと会話する。
「おーい、美郷ぉ」
歩さんもやってきた。
「あ、樹くんがいる」
「どうも」
「ここで会うのは初めてだねー」
「そうですね」
学食は生徒達でにぎわっている。
これが毎日なのだ。
メニューも豊富だし、値段も安いし当然だろう。
美郷さんと歩さんもメニューを持ってきた。
「そういえば、例の子は?」
歩さんが尋ねる。
「一応、熱田さんが放課後生徒会室に来てくれ、って頼んだようです」
「ふむ」
「どんな話が聞けるかね」
美郷さんも興味があるようだ。
「教室の中を覗いたんですけど、少し浮いているというか」
「やっぱそんな感じの子なのかなぁ」
美郷さんが言う。