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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 33

なるほど、早紀さんは強い人だ。
真希さんという優秀な姉を持っていて、同じように育って欲しいという親達からのプレッシャーにも負けず、自分を貫けるんだからすごい。
だからこそ早紀さんも生徒会役員としてやっていけるんだろうなぁ。

―そんな時
「やっほー」
歩さんが現れた。

「早紀ちゃんと樹くん、早いねぇ。やる気があってよろしいです」
「いえいえ」
歩さんに続いて、二人の女子生徒が。
「あ、彼が話題のイケメン君だね」
「なるほど、歩の言うとおりだ」
「でしょっ?」

歩さんは僕に二人を紹介する。
「樹くんは初めて会うよね?新聞部部長の蘇原美郷と、風紀委員長の赤坂ちひろ。二人とも私の親友なんだ」

「初めまして、生徒会副会長の穂積樹です」
「初めまして。君の事は歩からよく聞いてるよ」
「生徒会期待のルーキー、ってね!」
「ええっ、そんな!?」
「えっ、ホントのことじゃん」
戸惑う僕に歩さんは平然と答える。

改めてお二人を見る。
長い黒髪、如何にも和風美人の蘇原先輩、ライトブラウンのセミロングに赤いカチューシャがよく目立つ赤坂先輩。
お二人とも、歩さんに負けず劣らずの美人さんだ。
…そして、仲良しという三人組、全く身長が同じというのがちょっと面白かったりする。

歩さんと同じように、小柄で見た目幼く見えるけど、表情なんかを見ると相当なやり手のようだ。
ましてや蘇原先輩はあの目安箱の発案者だというし。

生徒会室には残る春田さんと熱田さんがやってきて、今日会議に参加する全員が揃った。
…あれ、赤坂先輩って今日参加する予定でしたっけ。
「はい、本日の会議です」
歩さんが話を始める。

「本日は頼りあるアドバイザー・美郷とちひろにも参加してもらうよ」
なるほど。
そう言うと、歩さんは例の黄色い箱を持ってきた。
先日の続きをするんですね。

「そういえば、その箱って蘇原先輩の発案だったって」
改めて聞いてみる。
「あっ、そーだよー。澪から聞いたんだね?」
「はい」
「このダメ生徒会長がね、『私に会長なんてできっこない、どしたらみんなの支持を得られるか助けてよー』って泣きつくから、ちょっとアイデアを出してあげたんだよ」
「…事実だから反論できない」
蘇原先輩の言葉に、歩さんが頬を赤くして俯く。

「歩は自分を過小評価してるんだよ。去年だって、副会長でそれなりにやってんだからさ」
赤坂先輩が口を挟む。
「だって、去年は先代の会長が…」
「そこがいけない」
「あぅ」

この3人、いい関係なんだな。
おそらく赤坂先輩も、歩さんとは長い付き合いなのだろう。
「赤坂先輩も、歩さんとは仲がいいんですね」
「うちらは幼稚園の頃からの仲だからね」
蘇原先輩が返す。

「多少口が悪いところはあるけどね…でも、2人は頼りになるし、今までも、私がピンチだったときも、助けてくれたのは美郷とちひろだった…樹くんも頼りにするといいよ」
「はいっ」
…一瞬、歩さんが遠い目をしたような気がした。
歩さんは過去に、何かつらい経験をしたことがあるのだろうか…

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