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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 222

館内が一瞬、大きなどよめきに包まれる。
梓さんは半分に裂いたカンペらしき紙を、さらに細かくちぎって壇の上に置いた。

「失礼しました。こっからは私の本当の気持ちで喋らせてもらいます」
何か吹っ切れたような笑顔を見せた梓さん。

「最初に言います。私は桜樹台の生徒で良かったと、心から思ってます」

梓さんは続ける。
「中学の頃は荒れてて、授業もロクに出てないような私を、いきなり生徒会にスカウトした奇特な方と出会ったのが、私が変わったキッカケ…なんっスよ、歩さん」

いきなりの名指しに歩さん、びっくりしてるんじゃないだろうか。
梓さんは壇上から歩さんを探し、その表情を確認したような感じの後、話を続ける。

「ここの投票システムが特殊だってのは聞いてた。正直私みたいな奴が選ばれるとは思ってなかった、中学の頃の荒れっぷりは恥ずかしながら有名だったから。それを知ってたのか知らなかったのか、歩さんに声かけられたときはマジ!?この人何言ってんの?と思ったもんだ」

こちらから表情はわからないが、歩さんはどんな顔して梓さんの言葉を聞いてるだろう。

 「『学校、つまらないんじゃない?』って、聞かれた。そりゃ、はい、って答えるしかない。そしたら、歩さん『一緒に面白いことしよう』って、言ってくれた。それから、どんな話流したのか、わからないけど私は生徒会役員に、なった」
 梓さんは一息ついた。
 「最初の仕事が、部活の助っ人!いや、これも、歩さんが、私の可能性を見つけてくれたんだ」

確かに梓さん、いろんな部活の助っ人に顔出して、いつも好成績をあげていたな。
練習に付き合うからって生徒会の会議を休んだこともある。まあ、そっちもそっちで非常に大事なことだ。
その分、男子しか公式戦に出られない野球部などは、梓さんがいないと結果は……といった具合で、男勝りな梓さんにとってとても似合っていたのは間違いない。

「もともと身体を動かすのは好きだったんだ、中学の頃とかサボってばっかだったけど体育の授業は絶対出てたし。男子の部活にも飛び入りで参加して、練習試合にも出たりして、それが部活動の実態を探るいい方法だったってのは、だいぶ後になって知ったんだけど」

この辺は歩さんというより、真希さんが仕掛けたんだろうと感じるが。

「そういうことをやってる中で、生徒会ってすごく楽しいなって思うようになったかな」

 「体育系だけでなく文化系の部活もいろいろ回らせてもらった。園芸部に行った帰りに鎌を持っていて猟奇的殺人鬼みたいだ、みたいに言われたのもいい思い出」
 「私は、今は料理が得意になった。実は、家庭科研究同好会に助っ人に行ったときに、私は料理に目覚めた」

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