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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 23

「会長さんが?」
「うん、たまたま見かけて、次の日もいたから、それからずっとご飯をあげてたんだ」
「…餌付けしちゃいましたか」
「猫さんは可愛いんだよ。可愛いは正義なんだよ!」
「…なんか違う気がしますが」

…でも、猫を可愛がる会長さんの姿を想像すると、なんだか可愛らしいし微笑ましい。
「この投書だと野良猫による被害まではないのね」
「ですね」
真希さんが言う。
「これで校庭や花壇なんかに被害が出るとのんびりしてられなくなるけど、今のうちはまだ大丈夫じゃない?それに、猫を可愛がる歩の姿、可愛くていいじゃない」
「ちょ、真希、それ何のつもりで言ってるの…?」
会長さんが真希さんをジト目で見つめる。

「えっと、まあ、これは様子見ということで」
「猫さんを駆除しないでね?」
場を取り仕切ろうとする僕に、会長さんは目を潤ませて懇願する。
大丈夫ですから、そんな顔しないでください。
…でも、正直可愛いです。

「…しかし、多すぎて捌ききれませんね」
「また明日にしようか」
「そうですね」
別に今すぐに、という要望はないのだから、それでいいのかもしれない。
「では、今日の会議はこれで終了!」

…会議後。
皆帰った後、室内は会長さんと僕だけになる。

「いやー、よかったよかった」
机の上にはまだ意見ボックスが置かれたまま。
その末期色っぷりは今見てもなんだか。

しかし、思ったよりも突っ込んだ意見が多くて驚いた。
この学校をよりよくしたいという気持ちは強いのだろう。
生徒会に入ってよかったかもしれない、と思った。

「明日もまたやろう」
会長さんはご満悦の顔である。
「ところで、樹くん」
「はい?」
「剣道部のほうは順調かな?」
「ええ、まあ」
「なら、よろしい」
会長さんはそう言うと、少し照れたような顔をして
「今の樹くんは、強くなった男の顔をしてるね」
と言い出す。

「ホントですかね?」
「うん、ホントホント」
確かに、剣道をやっていたときの緊張感や張り詰めた雰囲気にいると、気持ちが引き締まって、そういう顔に自然になるときを感じることはできる。
まあ、自分の実力がどうかは別として。

「その調子で剣道部も生徒会も頑張りたまえ」
「そのつもりでございます」
会長さんは誇らしげだ。
剣道部に入る決断をしたのも会長さんのおかげではあるし、感謝すべきかもしれない。

「これから頑張れるように、樹くんに景気づけに私から…」
「??」
会長さんの頬がほんのりと赤く染まる。

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