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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 210

蜜恵さんが去ってしばらく、僕は一人ボーっとしながら佇んでいた。
結果として、蜜恵さんが報われないのは申し訳ないし辛いけど、それでも彼女は彼女なりに前向きに考えていて。
僕は、そんな蜜恵さんを受け入れ、これからも変わらず接することを心に誓う。
それが一番ベストな答えだろう。

「…ん」
制服を着なおして僕も戻らねばと思ったとき、スマホがメールの着信を知らせた。
「ああ、来たか」
送り主は、歩さんだ。
すぐにメールを開いた。

『大学、合格したよ!これも樹のおかげ!ありがとう』

(…良かった)
歩さんの努力が報われた事に、僕の顔も綻ぶ。

『おめでとう♪僕だけじゃない。歩の努力の結果だよ!』

簡単だが歩さんに返信して、僕は制服の乱れを直して教室へ戻ることにした。
歩さんの事だ、放課後には早速僕の所に来るだろうし、今は喜びの余韻に浸らせる事も重要だろう。


教室に戻る。
結果一時間分サボったことにはなってしまったが、一応何事もなかったように装っておく。
席に着くと視界の端の方で葵さんとアリスが僕の方を見て何か話しているようだが、今は気にしないようにした。

その後は淡々と時間が流れて放課後を迎える。


今の生徒会の任期もあと少し。
迫っているイベントは卒業式くらいでは放課後に集まる機会も少なくなった。
最近は葵さんと茜さん、それに推薦入試で早々と進路をきめた真希さんとお茶しながら駄弁るのが定番だった。

梓さんは来年のためか各部活の指導をメインにしているし、早紀さんは補習に参加することが多くなった。
それぞれが来年に向けて動き出している。

さて、今日の放課後はというと
「樹くんは今日はやることがあるでしょ」
真希さんにそう言われ、僕は生徒会室に向かうことなく帰り支度し、そのまま帰宅…

「樹♪」
正門を出たところで、不意に後ろから声がをかけられた。
でも、それが誰なのか、わかりきっているけれど。

すぐに僕のところまで駆け寄ってくるその人…歩さん。

「合格おめでとう」
「ありがと!樹が応援してくれたおかげだよ」
「そんなことは…歩が努力したから、その結果だよ」
「えへへっ」
照れくさそうに笑う、それがまた可愛い、愛おしい。

そのまま並んで歩く帰り道。
「春からは大きく変わるんだなぁ」
「今までと変わんないよ。家から一番近い大学だから。電車も一回乗り換えるだけ」
「でも、なかなか会えないし」
「機会を見つけていつでも来るよ。樹が生徒会にいる限りアドバイザーとでも名乗って」

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