生徒会日和。 204
「蜜恵さん…」
「男子の体育の先生、今日は出張だって聞いたよ」
先程までの涙が嘘のように、蜜恵さんは微笑んでそう言う。
…なかなかの策士だ、そう感じた。
「アレ以来、樹くんとは出来てないもんね」
あれって、ロッカーをどうにかする、って相談されて以来のことか…それが蜜恵さんと話すきっかけになった…今となってはずいぶん前に感じる。
「…いい場所あるの?」
「私に任せて」
再び、蜜恵さんが僕の手を取り駆け出す。
僕らが普段いる教室からはまた離れ、反対側、特別教室が集まる北校舎までやってきた。
「こっちってあまり来ないよね」
「だから今がチャンスなんだよ」
外は快晴だが、こちらには日の光が少なく薄暗い。
それにちょっと肌寒い。
空いている教室…たぶん滅多に使われることはないはず…にはいると、蜜恵さんは僕にキスして、また見上げてくる。
「蜜恵さん…」
「樹くんと、『お友達』の証…」
「証?」
「セフレ…ってこと…」
「えっ…」
「樹くんと会長さん…私なんかが相手にならない事なんては最初から分かってるから…せめて、欲望の捌け口でもいいから…樹くんと私の二人だけの『絆』が欲しいの。どんな事だって…樹くんなら受け入れるから。だから…」
蜜恵さんはそう言いながら僕のズボンのベルトを緩め、外していく。
すでに密着されてモノは興奮状態、蜜恵さんの手がそれに添えられる。
しかし、それよりも大事なことがある。
「蜜恵さん…僕は蜜恵さんを、そんな扱いにはしたくないよ…」