生徒会日和。 201
「あったかい…樹のが、私の中で、まだ元気だよ…」
「歩の中が気持ちいいからだよ」
お互いに絶頂に達した後も、なかなか離れることができず、僕は歩さんに身体を預け抱き締めあっていた。
「樹…大好き」
「僕も…」
今日何度目かわからないキスを交わす。
すべてを出し切った後も、歩さんと抱き合い、ベッドに寝転ぶ。
「樹とこうしてる瞬間が、一番大好き」
「僕も…なんか嬉しいな」
「春からも樹と一緒にいたいな」
「もちろん…お互いに『本業』を頑張ることを条件に」
「ふふ、樹ったらママみたいなこと言うなぁ」
…実はそれが、希さんと交わした約束でもあるからなぁ。
でも、お互いが思い描く未来は決して夢物語なんかではない。
家の中で元気にはしゃぎ回る子供たち…
そして、そんな姿を見ながら穏やかに微笑む父と母…
ありふれているけれども、素晴らしい未来。
僕と歩さんなら、きっと作る事が出来ると信じている。
窓の外を見ると、空の色がオレンジ色になりつつあった。
「大学の合格発表、いつでしたっけ」
「明日だよ。朝見に行くんだ」
…僕も一緒に、と言いたいところだが、平日だからそれは出来ない。
「樹には一番最初に報告するよ」
歩さんは笑顔でそう言った。自信の表れだろう。
帰り支度する歩さん、僕も一緒についていく。
「今日は色々とありがとね♪」
「うん、こちらこそ」
玄関で靴を履く歩さんを見送りながら、僕は手を振る。
歩さんはドアノブに手をかけ、外に出ようとして少し立ち止まり、僕の方を向いた。
「歩?何か忘れ物でもした?」
「あっ…あのねっ、」