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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 190

2階に上がり、歩さんを僕の部屋まで案内する。
歩さんからドアを開けて中に入る。

「へぇー、綺麗にしてるんだね」
「歩の部屋よりは狭いと思うよ」
「そんなことないよ〜」

綺麗にしてる…というよりは、綺麗にしないといけない、のほうが正しい。
母さんは綺麗好きで、暇なときがあると掃除に時間を費やすほど。
ちなみに姉さんはその血を思いっきり受け継いだか極度の潔癖症だ。

なので、放っておくと母さんが勝手に部屋に入っていろいろあれをああしてしまう…ので、常に一定の清潔感は保っておかないといけない。
結構緊張感がいるんですよねぇ、これ。

「…で、えぇ、ちょっと、歩?」
中に入るなり歩さんは部屋の本棚やベッドの下を確認しだす…何をするおつもりですかっ。

「男子のえっちなレアアイテム捜索に決まってるじゃないか。」
「ありませんからそういうの。」
「じゃあ別の意味で男子的レアアイテム、超合金やモデルガンやら鉄道模型とか。」
「ヲタクの部屋じゃないですし。」
「宇宙的狂気を記した魔道書の類とか。」
「正気は投げ捨てないで下さい。」

ちょっと不安定な思春期女子と化した歩さん、無造作に無意識に動いていたその指先に小冊子サイズの何かが挟まっていた。

「ほえ?何これ?」
「ん〜?何だったっけか?」
「そこは形だけでも慌てるとか必死で隠すとかしようよ。」
「いやだから貴女の中で僕は何者なんですか?」

それはフォトショップから持って帰ってそのままみたいな、小さなアルバムだった。

本当に何だったろうか、というか全く記憶にないぞそれ。

「中身見ちゃっていい?」
「いえ、僕が確認するから」
歩さんから半ば強引に引っ手繰るようにその小冊子を奪い取りページをパラパラとめくってみる。

「これは…」
「ん〜?樹のムフフなお宝かなぁ?」
「いやマジでそういうのじゃないから」
…最愛の人じゃなかったらぶっ飛ばしたくなるようなイラッとくるにやけ顔を見せる歩さんは放っておいてその中身を再確認…

……うーん、これは…相当昔のものではないか。

僕は衝撃シーンの数々に赤面しながら、ひたすら驚愕するばかりだった。

「ナニ何?小さい頃のおもらし写真でも出てきたのかな!」

歩さん鬼の首をとったかの様な満面のドや顔…うぜぇ。
しかし僕はそのアルバムに記録された黒歴史の数々に涙するしか…なかった。
歩小1、和式便器の使い方がわからず、トイレでおもらし。
そこから始まる、本当に何故ここにある、歩さん黒歴史(小学校編)に…僕はひたすら涙していた。

歩小2、チャリ暴走族ひとり鷹結成(補助輪付)、高速道路に進入した所を補導。
歩小3、自分で掘ったサンタ捕獲用の落とし穴から出られなくなる。
歩小4、チャリ警察ワイルドぼっち結成(補助輪無)、地元暴走族を襲撃するが、飴やるから帰れとたしなめられる。
歩小5、世紀末…

「ぶぅるああああああああ!」

歩さんは、とても女子高生とは思えない悲鳴、からのただひたすら『畜生ォオオオ!』の連呼。
そして諦めきった様な笑顔と共に『な〜んちゃって?』と、無理矢理カラ元気で立ち直る。
あれ?むしろ泣いているのは僕?僕?泣いているの?

「僕こんな時、どういう顔をしていいのか、わからない。」
「笑えよ…ベジー○…。」

今いったい何が起こっているのか、僕にもわからない片鱗だけど、ありのままを伝えるとこうだ。
えーと、うんそうだな、僕のアラさがししようとした歩さんが、黒歴史アルバム(小学校編)で自爆した。

それにしてもどことなし、歩さんが他人の部屋に来たらどこをどうする、という挙動を理解しつくしたかの様な配置。
身内の犯行的な匂いがプンプンする。

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