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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 165

どこの部活でもその類まれな能力を発揮し貢献する梓さんの存在は大きい。
だけど、何から何まで梓さん頼みというわけにも行かない。
…特に男子部の場合。まあ別問題だろうが。

「彼女も樹のクラスには馴染んでるでしょ」
「ええ、もちろん」
「そういうのを聞くと、会長として、安心するものよね」

歩さんが、微笑んでそう言った瞬間

パリーン

…どこかで、窓ガラスが派手に割れた音がしたのだった…

………。

歩さんが笑顔のまま固まった。
…おい、これはまさか。

「やっちゃったわね」
歩さんは現実に引き戻されがっくり項垂れる。

窓から校庭を見渡す。
ソフト部の面々が絶望の表情で音のした方を見ていた。

「はい、やっちゃった人、正直に挙手!」
隣に立つ歩さんが身を乗り出し校庭に向かって声を張り上げた。

お互いに目配せして様子を伺うソフト部の面々。
少しして、恐る恐る手を挙げた人物が一人…いや2人…

「梓…アリスちゃん…」
歩さんは再び項垂れた。

場外に消えたボールの着弾点はグラウンド近隣の民家。
計り知れないパワーの持ち主である2人、その危険性は前々から指摘はされていた…

梓さんとアリスは肩を落としボールの飛んだ方向へと向かった。
2人は謝罪し、学校側も対策に乗り出すことが決められたのだった。

…その後しばらくは梓さんもアリスもおとなしくなったのは言うまでもない。


……それから数日。
歩さんや真希さんたち3年生は受験も近いのでなかなか生徒会の集まりには来なくなった。
(歩さんとは2人で会う機会もそれなりにはある)

僕は生徒会室で一人、作業の仕上げに取り掛かっていた。

軽音部も兼ねている生徒会、室内の隅には楽器やセットが立てかけてある。
僕には縁のないもの…そう思った時期もあった。

母さんいわく、姉さんにピアノを習わせようか考えたときがあったという。
しかし姉さんはまったく興味を示すことはなかった。代わりにはじめたのが剣道…まったく逆の方向に育ったというわけだ。
その流れを汲んで僕も…というわけだ。

コンコン

…そんな時、ドアをノックする音がした。
「樹くーん、まだお仕事中?」

双子の小坂井姉妹…どちらだろうか。

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