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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 163

その受験や就活でナーバスになってる人達だろうか、僕と歩さんを誹謗中傷する輩もいた様なのだけれど…。
人知れず祐くんと亜里沙さんが、噂の出所を突き止め地道な説得で解決した模様。
自由人と漢女(おとめ)、アクの強い二人は結構大人で面倒見よくしてくれる、友情だ。

「あ、向こうで何か光った、祐くんだ。」
「プールの方だね、遠くでもすぐ解る。」

水泳部が休みで一般解放日の温水プール。
その中で一人だけ六尺褌姿でオデコの眩しい奴が、何やら身構えている様にも見えた。
原因は(風もないのに何故か)黒髪をなびかせる女子生徒、遠くから見ても解るぐらい『肌色』の多い水着姿、ってここ学校なんですけど。

助平根性でプールに来ていた男子生徒達が、蜘蛛の子を散らす様に逃げてゆく。
普通に自主トレで来ている人達は慣れているのだろうか全く気にしていない。

激しい水柱の立った刹那、ニンジャブレードとサムライソードの電光石火が…。

「樹、NinjaやSamuraiは実在しない、イイネ?」
「アッ、ハイ、歩サン。」

水面に並べた和紙の上を走ったとか嘘くさい目撃証言まであるあの二人。
先術通り正当な目的でプールを使う生徒からの苦情はない。
むしろセクハラや盗撮、あとごく一部ウホッ!な男子生徒を追っ払う一役を買っているそうな。
プールに限らず何故か何処にでも現れイジメや喧嘩で『悪い子にしてると…』的な学園七不思議状態。
でもダメ、最近大人しいと思ってたらやっぱダメだあいつら、早く何とかしないと。

ここは断固生徒会長ドノの意向に逆らってでも前向きな検討をせねば…。

「…ふみー…ふすー…ふかー…。」

いつの間にか寝てるし、そして可愛い過ぎるし。
そうですねNinjaもSamuraiもYakuzaもTenguもいません。

僕は歩さんと共にある、この幸せが永遠に続いて欲しい、でも歩さんの進学後はどうなるんだろうか、そうした現実的な不安がよぎる。

歩さんの進学希望先は県内の大学。
その中には系列校の桜樹大もある。距離的にはどこも歩さんの自宅から電車で十分通える範囲内だから、休みの日には会って遊んだり出来る。

歩さん・真希さん卒業後の生徒会にも不安はあるが、基本的に生徒会のあり方は変わらないから、どうにでもなりそう…とは思う。

ふと視線を窓の先に向けると、プールからあの2人の姿は忽然と消えてなくなっていた。いったいなんなんだよあれはもう。

自主トレや運動不足解消、ダイエットの類でプールを利用する生徒達は、何事もなかったかの様にいい案配の負荷をかけている。
きっとあの二人は心の清い人には見る事が出来ない、狂気のフェアリーなんだ。

今度は竹林の方から慌てて煙草の火を始末しながら逃げ出して来る男女数名、顔は覚えたから初犯扱いでやんわり注意しておこう。
人知れず学園の平和を守るあの二人が現れたんだろうな。

確証がないけど今度はチャンバラ以外の目的らしい、一部の竹が激しく前後に動いている、僕は知らない何も見てない。

そんな僕の視界の隅、何故か葉っぱをくわえてソフト部の助っ人に来ていた梓さんが、その竹林に渾身の場外ホームランを叩き込んでいた。
元カノ的な嫉妬という雰囲気もなくちょっとした悪ふざけのレベル、だが確実に狙って打っていた。
しかも普通なら敬遠するか妥協するか迷う、打球の乱れる内角高めを迷う事なく強引にカッ飛ばしてたし。
ドヤ顔で梓さんがダイヤモンドを回り切る直前、ガッカリ顔のキャッチャーにボールが戻って来た。

戻ってくるはずのないボールがありえない速さで返ってきたのにキャッチャーの彼女はビックリした様子。
梓さんは特に驚くこともなくなぜかニヤニヤ笑っている。

「どういうことか樹、説明して頂戴」
「というかお前勝手に入ってくるなよ、それと練習はどうした」
生徒会室にノックもせずズカズカとやってきたのは本来グラウンドで練習しているはずのソフト部のもう一人の助っ人・アリス。

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