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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 162

留学生というので、空手いやKarate同好会の魔の手に引きずり込まれやしないかと心配になるが、そこはまっとうな考えの持ち主のようで、アリスはやんわりと断った模様。

もともとアメリカのリトルリーグで男勝りの快投を見せていたという実力の持ち主で、そこに目をつけた梓さんがスカウトした、という経緯がある。あの人も目敏いものだ。

「そんなに嬉しそうに見えた、僕」
「そりゃあもう。よっぽどいいことあったでしょ」
「別に、そんな…」

「そういえば樹、会長さんとはどうなったのよ」
「!?」

不意の一言に、心が揺らぐ。

「な、なんで、アリスがそれを知ってるんだ?」
「ふふ、図星ね…」
アリスは笑みを崩さず絶やさず僕をじっと見つめる。

「女の勘ってヤツよ」
「そうとは思えないけど」
「樹、前から会長さんのこと、私にいろいろ話してくれたじゃない。その顔がすごく楽しそうだったんだもの、樹が会長さんのこと好きだって思うの、当然じゃないかな?」

「そ、そうかな…」
そんなに顔に出てたかな…
すぐに感情が顔に出てしまうなんて、武芸に通ずるものとしては失格なんじゃないかな…

「あんまりネガティブに考えるもんじゃないよ」
アリスは続けて言う。
「感情が顔にすぐ出るのがダメ?私はそうは思わないな。楽しそうな樹を見てると、私も嬉しいし楽しいもの」

「そ、そうかな?」
「きっとそうよ」

それこそ普段あまり感情を表に出さないアリスが笑っている。
それがなんだか、可愛い。

「まあ、話は葵から聞いたんだけどね」
「ああそう…っておいぃ!!」
裏で絡んでいたな、あの生徒会会計…こっち見てニヤニヤしてるし!

…まあいい。
周りはみんな、歩さんと僕を応援してくれているんだ。


授業後、生徒会室に集まるが、少し近況報告をしたくらいですぐに解散。
他のメンバーが帰り支度につくなか、歩さんは椅子に座ったまま。
僕も支度をする手を止め、聞いてみた。

「受験勉強は順調ですか?」
「うん、おかげさまで」
「また、協力して欲しいときは言ってください」
「ありがと、樹♪」

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