生徒会日和。 153
歩さんの手料理を味わった後は、2人で後片付け。
『1人でやるから大丈夫!』とは歩さんは言ったが、僕も歩さんにやってもらってばっかり、というのもどこかプライドみたいなものがあって…食器洗いを手伝う。
「樹と2人、ってのもいいかも」
結局満更でもない様子だし。
その片付けも何事もなく終わる。
「これからどうするんです?」
「樹…私の部屋、見たい?」
歩さんの部屋…ねぇ。
「いいんですか?僕なんかが入って」
「何言ってるの?樹は私の彼氏なんだよ?」
「まあ、そうだけど…」
「ねっ、行こう」
歩さんはそう言って僕の腕を掴む。
初めて行く女の子の家、しかもその彼女の部屋に。
柄でもなく緊張して、心臓がバクバク鼓動するのが嫌でもわかる。
2階に上がり、歩さんは楽しそうに僕を導いてくれる。
「ここ!私の部屋♪」
『あゆみのおへや』
…可愛い木製のプレートがドアの上の方に。
そういえば歩さんって可愛い字書くなと思ったけど、これもそうなのかな?
「どうぞ♪」
歩さんがドアを開け、その後に続いて中に入る。
「へぇ…おおぅ」
淡いピンクの壁紙、ベッド周りには可愛らしいぬいぐるみが並んでいる。
なんか想像以上にファンシーなお部屋になってますね。
「ずいぶん集めたんですねぇ」
有名なネズミのやつとか、別の黄色い電気ネズミ?もいるし、最近流行りの妖怪猫?もいる。
「ふふ、気に入ったものは全部買っちゃうんだよ」
いいご家庭に育ったようで何より。
…僕だってそんな欲しいものが買ってもらえなかったってことはなかったけど。
姉さんとは趣味が大きく違ったしね。
奥のベッドに転がる歩さん。
「樹も、こっち来てよぉ」
「一緒に寝たら狭いでしょう」
「ご飯の後は、樹を食べたい…なーんてね…」
歩さんは笑顔で僕を誘ってくる。
まぁ、歩さんが誘って来なくても僕から誘うつもりだったから、そこは好都合。
「いい…ですよ。僕も…歩を食べたい。」
途端に歩さんの顔が綻ぶ。
でも、折角歩さんの部屋で事に及ぶのだから、普段なら絶対断られるだろう事をしてみたくなった。
「その代わり…歩の………が…見たい」
「え…っ、聞こえないよ?何?」
自分で言っておいて恥ずかしくなってしまって、最後の方は小声になってしまったみたいだ…
「歩が…一人でしてるの…を見たい」
「えっ…えぇぇ!」