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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 149

「私…樹が世界で一番好き。樹が傍にいれば、他に何もいらない位…樹が好きなの…」
「歩…」
サラサラな歩さんの髪を手櫛で鋤きながら、僕は歩さんの声に耳を傾ける。
「でも…ちゃんとしなきゃって思ってはいるのに、貴方のそばにいると、貴方が欲しくて堪らなくなっちゃう。私って…ダメな子なの、かな?」

「そんなことはないと思う」
僕はキッパリと言う。
「僕も歩のことが世界で一番好きだよ。僕の前だけ、そういう顔をしてくれるんだったら、すごく嬉しい」
「樹…」
「僕だって、こうして2人でいると、止まらなくなるから…お互い似たもの同士なんだよ」
「あはは、そうだね」
歩さんが笑う。いつもの変わらない笑顔だ。

曇りだった空が、次第に青空に変わり、太陽の光が校庭を照らす。
屋上には爽やかな風が通り抜けていく。

「樹」
「どうしたのです、歩」
「大好き」
隣に座り、肩を寄せる。

一緒にいれば、どんな顔の歩さんだって、僕は大好きだ。


…………………
それから何週間後。

平日だが、祝日なので学校は休み。
することがないので家でゴロゴロしていると、携帯がメールの着信を知らせる。

『樹、今日暇?』
歩さんからだった。すぐに返信。

『まあ、暇といえば暇ですけど』
『じゃあ、付き合って欲しいの!』
…これって、デート、なのかな?

『付き合うって、何に?』
『それは…』

集合場所は市の図書館。
どうやら受験勉強していた歩さんだが、一人じゃ捗らないからという理由(なんだか理不尽な気もする)で『彼氏』の僕を呼んだらしい。

「僕を呼んでも教えられる立場では」
「樹がいてくれるだけでいいの!」

僕が見てもさっぱり分からない問題に向かって、歩さんは鉛筆を走らせる。
何だかんだ言っても歩さんは受験生なんだなぁ、と僕は改めて感心する。


学校の屋上での一件以来、いちおうお互いに反省して、学校では(なるべく)ヤらない様に努力する事にした。
もっとも、歩さんはずっと僕の側に居たいらしく、渋々…と言った感じだった。
そう思う気持ち自体は理解できるし、正直、嬉しくもあるが、お互いに快楽に溺れてしまって歩さんの受験に影響すると、もとも子もない。

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