生徒会日和。 143
「あの後二人が居なかったせいで、片付けとか大変だったなー。他のみんなは気にしてないだろうけど、私には教えてもいいんじゃないかなー?」
「うっ…」
確かにそこを突かれると何も言えない。
お互いに盛り上がっちゃったのもあるが、片付けを放置して歩さんを満喫したのは確かだし…
「すみませんでした…」
平謝りするほかない。
後片付けは生徒会の重要な仕事だからなおさらだ。
「ごめんね、樹くんにばかり愚痴ってしまって」
「いえ、こうなったのも僕のせいなので…」
「いいのよ、私は歩も、樹くんも好きだから」
「真紀さん…」
「だから、歩の事…大切にしてあげて」
「はい」
僕たちの事を自分の事の様に思ってくれているのが良くわかった。
とりあえず、真紀さんは僕らの味方になってくれるみたいだから、何とかやっていけると思う。
「あれ。真紀と樹…くんじゃない、二人で何話してたの?」
歩さんがやってきた。
お昼を食べ終えて、食堂から出てきたところだろうか。
「ふふ、なんでもないわ。たまたま樹くんを見かけただけだから」
「え、ええ」
「ふぅん…」
なんだか納得行っていない表情。
親友の真希さんでも嫉妬の対象なのだろうか。
「ねぇ、樹くん。これから、少し時間あるかな?」
歩さんが僕に尋ねてくる。
僕は壁掛けの時計を覗き込む。
昼休みはあと10分くらいだろうか。
「もうすぐ昼休み終わっちゃいますけど、それまでは大丈夫ですよ。」