生徒会日和。 133
…その後も歩さんと2人で文化祭を楽しみ、体育館での閉幕宣言を迎える。
「今日は、みんなと…それと最高のエスコートもあって、すっごく楽しめた…思い出に残る一日になった気がする。みんな、本当にありがとう」
歩さんは壇上で笑顔で言った。
鳴り止まない拍手。
僕も舞台袖でそれを見守る。胸の熱くなる思いがした。
「お疲れ様です、歩さん」
「樹くん、今日はホントに、ありがと!」
最高の笑顔。
そして、その笑顔で、僕は決断できたような気がした。
生徒も先生も引き上げ、2人だけになった体育館。
「歩さん」
「うん?」
「好きです、歩さんのこと…他の誰よりも…」
歩さんは振り向くことなく
「ふふふ…樹くん、そういうことだったのかぁ…」
「いつごろからわかってました?」
「最初に、お誘いの話を受けたときには、なんとなく」
「意外と鋭いですね」
「ふふ、意外ってどういう意味かな?」
ニコッと笑って振り返る歩さん。
「でも、好きな人に『好きです』って言われるのは…凄く嬉しい」
「歩さん…」
短い沈黙のあと、少しずつ歩さんは心の内を話し出した。
「成り行きとは言え、私たち…キスもエッチもしたけど、この気持ちは私の一方通行かと思ってたから」
「僕も…そう思ってました。歩さんのこと、好きだとはずっと思っていたけど、歩さんがどう感じているかわからなくて」
僕も、今思っている気持ちをそのまま伝えようと思った。
「大丈夫だよ」
歩さんは僕の言葉を遮って言う。
「私、樹くんのこと、好き…好き…大好き…」
「歩さん…」
僕は歩さんの小さな身体を抱き締めた。
「場所・・・かえよっか?」
僕に抱きつきながら、歩さんは小さな声で言った。
「そうだね・・・」
体育館内の倉庫に移ると、用具で壁を組みその裏に隠れる。これで外からは見えないはずだ。
体操マットの上に座る僕と歩さん。
「ねえ、最初は樹君から・・・その・・・してくれない?」
「え?・・・あ、ああ・・・」
「うれしい・・・」
そう言って彼女は、されるがままになることを受け入れるようにマットの上に仰向けになった。
「服・・・脱がすよ?」
「お願い・・・」
つばを飲み込むと、僕は彼女の服に手を伸ばした。