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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 132

「ご馳走様でした」
「こちらこそ。デート頑張ってねー」
早紀さんがサラリと一言。

「…知ってましたか、やはり」
「お姉ちゃんがね」
…真希さん、やっぱり貴女が…

その後も出店を回りながら歩さんと並んで歩く。
「あ、これおいしそう!」
クレープだたこ焼きだ焼きソバだ…視界に入る食べ物ほとんどに手を伸ばす歩さん。
あなたの胃袋はどういう構造してるんでしょう。
…これがまさしく『いっぱい食べる君が好き』ってヤツでしょうか。

「ほい、樹くん」
「ああ、これはどうも」
いったいいつの間に買っていたのか、もうひとつ焼きソバを差し出す歩さん。

「いいんですか?」
「樹くんと一緒だもん、それも想定して出店のチケットを用意しておいたのだよ」
「あ、ああ…それはどうもです」
食べ物のこととなると賢い、のか?

「どこか食事できる場所ありますかねぇ」
「屋上行っちゃおうか?」

「はあ…まあ、いいですよ」

歩さんについて行くまま屋上へ。
校舎内の喧騒が嘘のように静かだ。

雲ひとつない青空が広がる。
「今日もいい天気だね」
「そうですねぇ」

「今年はホントによかったよ。今まではイベントごとに天気が悪くなる『雨女』だったからさ」
「えっ、歩さん、そうだったんですか?」

「去年と、一昨年と、文化祭は雨じゃなかったかな」
「へぇ…」
「それが今年はごらんの快晴。樹くんのおかげかな?」
「いえ、そんなことはありませんよ」
それはひとえに歩さんの日ごろの行い…今年は高校最後なのだから、願いも叶ったんです、きっと。

「冷めないうちに食べようか」
「そうですね」

…歩さんは焼きソバ以外にも何かたくさん買ってられた。
ホントよく食べるお方だ。いったいどこに吸収されるんだろう。

「う〜ん、美味しい…幸せ〜」
「ええ、ほんとに」
歩さんの笑顔を見ていると僕も幸せな気分になる。

今は2人きり。でも、ここでそれを言うタイミングではない。
それは、もっと後のことだ。

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