生徒会日和。 131
…とりあえず注文はした。
「皆さんよく似合ってますねぇ」
「そうかな?でも嬉しいな」
「企画した甲斐があったってもんよ」
ニッコリ笑う早紀さんと胸を張る誉先輩。
…企画したのはアナタですか。
「着替えたはいいけど怜奈がなかなか出てこなくてな」
「お、お前それを言うか…!」
ニヤリと笑う梓さん、それに真っ赤になる河原田先輩。
…ここに来なかったら、河原田先輩のこんな顔、見ることはなかったな。
歩さんは歩さんで早紀さんや梓さんと楽しく会話している。
ここに連れて来てまあ成功でいいでしょう。ちょっとホッとした。
そうしているうちに、なんだかいい匂いがしてきたので、その方向を向くと、春日井先輩がお皿を持ってやってきた。
「出来上がりましたよー」
…オーダー受けてから作るのかな?だとしたら結構すごい。
「さて、お決まりのお言葉は誰がやりましょうか」
「うーん…」
なにやら密談が始まった。
「いっただっきまー…」
「あー、会長さん、ちょっとお待ちくださいっ」
早速食べようとした歩さんを誉先輩が止める。
「どうしたんだよぉ」
「あー、ええー、召し上がる前にある『儀式』を」
「はあ」
歩さんも首をかしげる。
「怜奈がやれば面白いかもな」
「わ、私は絶対にやらん!」
梓さんが河原田先輩を弄りまくっている。
…この2人ってもとからこんな感じなのかな。
おちょくる梓さんだが、河原田先輩は頑なだ。
「なー、面白いじゃんよぉ、れなちゃんよぉ」
「やらんと言ったらやらん!!」
…河原田先輩、もう顔真っ赤です。
「すまん、ダメだ。さとみやってくれ」
「また私かよ」
「まあ、ほら、お前が一番似合うだろ」
「仕方ないなぁ」
誉先輩がケチャップを片手にこちらへ。
「えーと、では」
『『??』』
「美味しくな〜れ、萌え萌えキュン♪」
……………。
「ほら見ろ!ドン引きじゃねえか!だからいやなんだよ!!」
「ま、まあ、落ち着け…?」
カチューシャを床に叩き付ける誉先輩、それを早紀さんが宥める。
「……まあ、どうぞ」
「いただきまーす♪」
落ち着きを取り戻した誉先輩が促し、オムライスを食べる。
うん、普通に美味しい。
「美味しいよ〜」
「お口に合えば何よりです」
満面の笑みで顔を綻ばせる歩さんに、皆さん満足の様子。
最初にここを選んだのは成功のようだ。