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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 127

河原田先輩のアドバイス?を受けてから、また少したったある日―

その日は体育祭だった。
結果から言うと、僕のクラスが属するチームは総合優勝を果たした。
それもこれも、長良祐一郎という1年生男子ではトップの体力馬鹿のおかげであるのに等しい。
(一応褒め言葉だ)

その体育祭の後片付けに、僕ら生徒会は当然ながら借り出されることになる。

…言わば雑用である。
名乗り出て進んでやってくれる人がいないのだから、こういう仕事は自動的に生徒会が行うことになるのだ。
ある意味当然。ある意味厄介。

同じクラスである葵さんと一緒に指定された現場へ足を運ぶと、ちょうど本部席のテントを解体し、机や椅子を運ぶ最中だった。
その中に、歩さんの姿もある。

「あ、樹くん、葵ちゃん、お疲れ!」
こちらに気づいて笑顔を見せる歩さん。

「お疲れ様です」
「いやー、今年はよかったね、最高だったよー」
歩さんのクラスとは今回、同じチームだった。
歩さんにとっても最終学年で優勝できたというのはとても嬉しいことなのだろう。

…ただ、気がかりなことがひとつあった。
歩さんは最終種目のリレーで派手に転倒していたのだ。
怪我してないのだろうか、もし怪我していたなら、後片付けに参加することないのだが。

歩さんの転倒でリレーではいったん一気に最下位まで落ちた。
しかしそこから梓さんと祐くんの追い上げで巻き返し、アンカーの誉先輩がゴール前で逆転。
めでたく我がチームは総合優勝を果たした。

確かあのあと歩さんは河原田先輩に担がれ保健室に行ったんではなかったっけか。

「歩さん、大丈夫ですか?」
僕の代わりに葵さんが尋ねる。

「うん、大丈夫大丈夫」
気丈に笑顔を見せる歩さん。

ただ、転倒した際に擦り剥いて出血したのか、膝には絆創膏が張られている。

「あまり無理しないでくださいね」
「心配してくれてありがと。でも、生徒会の仕事はきちんとしないとね」
僕も声をかけたが、歩さんはいつもの歩さんだった。

後片付け、僕は歩さんの近くで手伝いながら進めていった。

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