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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 126

「ふむ」
僕の相談を聞いて、先輩はほんの少し考え込む。

「穂積は、会長のことが好きなのか?」
「ええ、まあ…そうですね」
「なら、男らしくガツンと行けばいい。おそらく相手だってそれを待ってるはずだ」
「そう、でしょうか…」
ある意味先輩らしいアドバイスだった。

「男は少し鬱陶しいくらい積極的になったほうがいいと私は思う。長良なんてそんな感じだろう」
…あれは少々どころかかなり行き過ぎのような気がしますが。

「冴えない顔だな、いつものお前らしくないぞ?」
そう言いながら先輩は僕の背中を軽く叩く。

…男らしく、か。
真希さんもそんなこと言ってたっけ。
やっぱり、思い切って行くしかないんだな。

「彼女のほうも、お前を待っているかもしれないぞ」
「は、はい」

背中を押されたことで、さらに思いは強くなっていくのだった。

2人で歩いていると、いつの間にか校舎裏まで来ていた。

河原田先輩は、女子にしては長身で、おそらく170cmはあるだろう。
横顔は凛々しく、1年生女子の人気も高い。
茜さんや小坂井姉妹もカッコいいって言ってたっけなぁ。

「今後とも何事にも精進せよ、だな」
「はい…」
校舎裏の壁際で先輩に迫られる。

これが所謂壁ドン…って男女逆ですよね?

「どうした?」
「あの…先輩、近いです…」
そう言うと、途端ニコニコしだす先輩。

「そこを男らしくしないと、だぞ?」
なんかもう楽しんでますよね、アナタ…
なんか一気にイメージが変わったなぁ。

「穂積なら出来ると私は思っていたんだがな」
河原田先輩はそう言って僕から少し離れた。

いや、僕はまだそこまでの男じゃないです…と言おうとした矢先のこと。

…不意に、唇に柔らかい感触が襲う。
「んっ!?」
その感触がなくなってから、もう一度先輩の顔を眺める。何度も何度も。

「少年よ、何事も勇気あるのみだぞ!」
そう言って先輩は去っていった。

…呆然とその姿を見送るしかできなかった。

あの人には勝てないな、と思った。
…そして、河原田先輩のまったく違う一面を感じてしまったのだった。

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