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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 122

それからというもの、普段の生徒会の集まりでも、歩さんを直視するのを躊躇ってしまう。
当の本人は笑顔で「樹くん、どうしたの?」と意に介さず尋ねてくるので、余計につらいというか、何というか。
周囲の皆さんにこの気持ちがどう感じられているかも気になるだけに、なかなか難しい。

「樹くん…お困りかしら」
そんな僕に助け船を出してくれるのは、やはり真希さんだった。

「なかなか踏ん切りがきかないみたいね」
「すいません…こういうこと、初めてなので」
「まあ、仕方ないわね」
真希さんは微笑を絶やすことなく話を続ける。

「後半年…樹くんが、これを多いか少ないかどう捉えるかだけど、時間はまだあるの。気持ちを固めて、歩に思いをぶつけるの…男らしくね」
「はあ…」
「樹くんは強い子だもの…絶対に出来るわ」

強い子…か。
今の僕は、精神的にも、肉体的にも、本当に強くなっているのだろうか。


―それからまた数日後

放課後の屋上。
秋晴れの空、心地いい風が吹く。

グランドでは野球部が練習中。
「次行くぞー」

ノックを行っているのだが、それがおかしい。
ノッカーが梓さんで、守る側が1年生の男子部員。
…梓さん、もうなんでもアリなんだな。

桜樹台は僕ら1年生が初年度の男子生徒。
野球部の男子部員は見たところ10〜15人くらいだろうか。
(地方大会のベンチ入りは20人まで)

試合は出来る人数ではあるが、以前見たスコアは散々だった。
…で、梓さんがこうしてノックしてるって、これ、顧問とかどうなってるんだいったい。



「梓が仕切っているようじゃ、野球部の男の子たちもまだまだね」
「!?」

背後でした声に思わず驚く。
振り返ると、小柄な身体で腕組みしきりっとした表情の歩さんが。

「あ、歩さん…?」
「やあ樹くん、偶然だね」
屋上にいるのが僕だとわかると、いつもの笑顔に戻る。

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