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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 121

―2学期は慌しい。
体育祭に文化祭、2つのイベントが控えており、夏休み明けから計画や準備に追われることになる。
生徒会に所属する僕にはなおさらだ。

そんな中我が剣道部は秋の新体制で練習を始めた。
僕ら男子は1年生5人、僕以外は未経験者の中、少しでも上達を図るべく部活に励む日々だ。

…で、なぜか祐くんこと長良祐一郎が剣道部の練習に顔を出すことが多々あるようになった。
おそらく亜里沙さんの絡みなのだろうが目的は不明。
この二者間でいつ決闘が始まるのかと戦々恐々なのではあるが…

「頑張ってるかね剣道部のエースさん」
剣道場にやってきたのは新聞部元部長・蘇原美郷さん。
歩さんの親友であり僕のことを気にかけてくれる一人だ。

「何しに来たんですか」
「んー?取材だよ取材」
「…3年生ですよね?」
「君たち運動部とは違って文化部は線引きが曖昧でね。アドバイザーとしてまだまだ頑張らせてもらうよ」
美郷さんは歩さんとほぼ変わらない小柄な身体で偉そうに腕を組む。

「澪さん(新聞部新部長・春日井澪さん)が信用置けないとかですか」
「いんや、澪は十分いい子だよ。それより、澪以降の人材が心配でね」
…そういうことか。

「案外、あの長良某とかいうのが活躍しそうではないかね」
「祐くんは正式な部員ではありませんし」
「君以外は進歩はあるのかい?」
「うーん…」
実際、あるとはまだ言いがたいのだ。

「まあ、やってみてなんぼだけどね」
「はい」
「頑張りたまえ」
そういわれ、肩をポンポンと叩かれる。

「そういえば、美郷さんは歩さんと長い付き合いでしたね」
「ああ…歩がどうかしたの?」

美郷さんはどことなしニヨニヨと口元を緩めてる、何だろう。

「夏休みの間に浮いた話でもあったのかね?」
「あばばば?いやその…。」

藪蛇、僕は矢印付きでギクッと擬音を立てそうになりながら動揺を隠す。

「浮いた話の取材なら先程の祐くん…。」
「私だって命は惜しい。」

あっはいそうですね、もれなく首狩ウサギに追われます。

そのウサギいや亜里沙さんは、それ剣道じゃねぇよシリーズ組み討ちの稽古、勿論相手は祐くんだ。

「ちょ?待っ?亜里沙さん?」
「何を戸惑う祐一郎?これは稽古だ。」

実際『これ入ってるだろ』みたいな格好は軽くセクハラだ。

確証ないけどあの二人やっぱ夏休み、フガフガしてたんじゃないだろうか。
いやあっちはどうでもいい、それより歩さんの事どう聞くか、変な誤解は困る。

「歩の名前が出たけど、夏休みに何かあったのかな?」
「え、いや、まあ…」

あまりひた隠すのも得策ではない。
美郷さんってそういうところ鋭そうだしね。
ひとまず、正直な理由を話してみることにした。

「ああ、真希がね」
何だか納得した顔の美郷さん。
「歩は昔から色恋沙汰には鈍い方なんだけど、最近はどうも違う感じはしてたかなぁ」

変わったと言えばいつでもどこでも、視界の隅でめんどくさいあの二人が顕著である。

稽古と言う名のセクハラから解放された祐くんが、軽く前屈みで恥ずかしがっている。
亜里沙さんは夏休み以来色々と一転攻勢して、あの祐くんを手玉に取れる様にまでなった。
常人離れした脚力で消えてから何があったんだあの二人。
証拠はないけどやっぱフガフガ、それも亜里沙さん主導権。

歩さんもアレくらい雰囲気変われば分かり易いんだけど、そもそも比較の対象に出来ない。

いや違う、僕が歩さんを何一つ理解していない、ただそれだけなんじゃないのか?

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