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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 120

…2人でいったいどこへ、何を?
いやあの2人のことだ、人気のない岩場でゲフンゲフン…みたいなことはあるまい。
というかここにそんな岩場などないし。

「紐、解いて全体に塗ってくれる?」
真希さんがうつ伏せの状態でそう言う。
僕の視線が泳いでいたのもこの人ならお見通しなのか。

真希さんの背中にオイルを塗りながら、波打ち際のほうを眺める。

梓さんを中心に、歩さんや茜さん、姫さんに小坂井姉妹がビーチボールで楽しく遊んでいる。
とても微笑ましい光景だ。

「これを見れるのもあと半年くらいかしらね」
「ああ、そうですかね」
真希さんと歩さんは3年生だからな。

「樹くんには教えるんだけど…」
「はい?」
「私、来年の春から遠くの大学に行くの」
そうか、それで…

「歩さんは…」
「歩は、ご両親の希望もあって、ここからは離れないつもりみたい。それに…」
「それに?」

「歩は、樹くんのことが好きなのよ。あの子の傍にいてあげて頂戴」

…歩さんが…僕のことを…か。

―ビーチで後輩たちと楽しそうにはしゃぐ歩さんの姿を眺める。
赤と白の花柄のビキニ…小柄ながらたぷんたぷんと揺れる豊かな胸…ってそこじゃないそこじゃない。

…蜜恵さんとああいうことがあってから余り時間が経たない。
しかも相手は歩さん…僕にだってそういう感情が、ないわけではない。

「樹くんは、歩のこと、好き?」
真希さんが尋ねてくる。

「ええ…好き、です。でも、まだわからないことが…」
「わからないことって?」
「恋人として見てるか、ってこと…"like"なのか、"love"なのか、僕には…」
「そう…そうよね。いきなり言ってごめんね」
「いえ…」

オイルを塗り終えると真希さんは身体を起こし、隣に座った。
歩さんは元気よく後輩数人と楽しく遊んでいる。

子供っぽくて無邪気。
それでいて、生徒会長として重要な局面では凛々しく、真面目な顔を見せる。
そんな2つの顔を見せる歩さんはとても魅力的な女性だ。

そんな歩さんが僕に期待していることは何か?
それに対する確かな答えを出せる力は、今の僕には、たぶんない。

3年生の卒業まで、後半年。
それまでに、しっかりした答えを出す必要がある。

―新たな課題が出来たところで、別荘合宿は幕を閉じた。

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