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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 110

蜜恵さんが僕の方を向いてにこやかに微笑む。
…可愛いヤツだな、オイ。

「樹くん、ふつつか者ですが、よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げて言う蜜恵さん。
…勘違いされるようなことを言わないでください。

「さあて、練習しましょうか?」
抽選会も終わったところで、真希さんが言う。

その言葉に続き、さっき歩さんがドカドカやってたスタジオへ移動。

「結構広いのね」
「うちの親も趣味でやってたりするので」
茜さんのあれは親譲りなのか。

「みんなはどーなの?」
歩さんが生徒会以外のメンバーに尋ねる。
「あ、言うの忘れてましたけど、姫と双子とは中学の頃バンドやってたんです」
という茜さん。
え、そうだったのか。

確かにその辺りの面子ならそういう話もあるだろう。
僕は薄々無駄だと知りつつ亜里沙さんの方を振り向いた。
彼女は携帯で誰かと話しながら、出掛ける支度を済ませていた。
麦藁帽に白ワンピ姿の古き良き昭和日本の夏休みスタイル…と刀袋。

やっば軽音とは無縁な人らしい…っておい待てや、アニメ定番みたいに帯刀女子高生なんて洒落にならん。

「それ、真剣じゃないでしょうね。」
「君は私を何だと思っているのだ。」

この人だと今のお出かけ服でさえ決闘とか討ち入りの類に見えてしまう。

亜里沙さんはもう一度刀袋を確かめてからしばし黙り込む。
そして部屋に戻って『ちゃんと木刀が入ってるらしい』方を持って来た模様。
いやまさか逆じゃないだろうな、最初のが『間違えて木刀だった』とか『木刀で行こうと思ったけどやめた』なんて。

「具体的には誰を討伐しに行くんですか、何となく想像つくけど。」
「うむ、長良は今日明日バイトが休みなので稽古の相手になってくれるそうだ。」

学園アニメなら実はデートなんて展開だろうけど、彼女が頬を赤らめて口ごもったりなんて様子は全くない。
しかも討伐って辺りは否定しないし、可愛い奴だなおい(棒読)。

さようなら祐くん蝉の様な命だったね、君の事はなるべく忘れないよ。
いや奴ならそれこそ真剣でも大丈夫か、あれKARATEというよりNINJAだから。

いやまて亜里沙さんが当たり引いてたら僕だったのか。
違う意味で『今夜は寝かせない』になってたのか、僕は深く考えるのを止めた。

そこへ歩さんがまたノリだけでドラムを叩き始めたらしい轟音。
僕が驚いて身をすくめた時、既に蟹江亜里沙の姿はなかった。

…行ってしまわれたか亜里沙さんよ。
そして祐くんは御愁傷様?いや、ご無事とご健闘をお祈りすべきなのでしょうか、わかりません。

「ヘイ、樹ぃ、何冴えない顔してんだよお」
…なんか声がしたので振り向くと…うわあ。

逆向きに被ったキャップにサングラス、ド派手なアロハシャツ。
いかにもお近づきになりたくない格好でやってきたのは例のアホ双子の妹の方だった。

「…なんなのそのカッコ」
「えへへ、私のことは小坂井茉莉亜…ではなくDJマリアと呼びたまえ」
…しかもなんかキャラが痛い。

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