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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 109

「朝っぱらからなんなんすか…」
「いやー、久しぶりにバンド活動できるって思ったら興奮しちゃって、珍しく早起きしちゃったよー」
それにしては元気ですな。
もしかしておねむの時間も早かったりするのかね?

「でも、歩さん、ドラムは素人でしょ」
「ばれたか」
「メチャクチャですよ」

「一度やってみたくてねー」
そう言いながらまたドンドドドドドカドカ叩き出す歩さん。
いやまたやらんでも。
…僕以外に誰か叩き起こすつもりですか。

そんな騒がしい朝を経て。
みんなで朝食を食べた後、今日の予定を話し合う。

あ、さすがにお手伝いさんこと『あの人』はいませんでした。

「夏休みが終わると学園祭の準備が始まるね」
歩さんが切り出す。

「学園祭ってどんな感じなんです?」
「まあ、普通にクラスごとの出店とか、ライブステージとか、いろいろやるさ」
僕が質問すると、歩さんが答える。

「ただ…個人的には、今年で最後だし、思い切ってでっかいものにしたいなぁって思っててね」
そうか…歩さんや真希さんは3年生だもんな。

「生徒会は軽音部もかねていて、ライブも考えてるんだ」

昨日も話が出ていたけど、桜樹台生徒会は軽音部も兼ねている。
これは歩さんが会長に就任したこの春からのこと。

真希さんや早紀さんは中学時代から何かしらやっていたようだが、歩さんはまったくの素人。
ただ、歩さんの抜群の歌唱力に惚れた真希さんがヴォーカルとしてスカウトしたのがきっかけだったそうだ。

「そうね…最後だもんね…」
真希さんがしみじみと呟く。
その顔に、僕らは当然、歩さんですら驚いた。

「さあさあ、湿っぽい話はおしまい。今日の樹くんの同室者を決めましょう。」
真希さんの言葉で、葵さん・早紀さん・蜜恵さん・姫さん・亜里沙さんが色めき立って、周囲の空気が一変する。
真希さんは胸元から5枚の紙を取り出した。
スタイルのいいひとがこういうことすると絵になるなあ。
「樹くん独占権許可証(2日目限定)を1枚いれてあるわ。さあ、引きましょう。」

真希さんの手にしたくじを、緊張の面持ちで5人が引く。

「当選者は、誰かしら?」
「私です!」
満面の笑みを浮かべて幸せそうな蜜恵さんが、「樹くん独占権許可証(2日目限定)」と書かれたくじをみんなに見せていた。

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