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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 103

昼のクジ引きのときに言ってたのはそれか…
「さあさあこちらへ来なされ」
「なんで?」
「樹くんの背中を流すんだよぅ♪」
…そんなサービスまで付きますか。

ま、期待には応えてやらねばいかんでしょう。
洗面器やシャワーの置かれた洗い場へと向かう。

そういえば、この双子とこんなに話すのもこの前のロッカーの件からだ。
存在自体は結構有名?だったから名前は知ってたけど。
…こんなに騒がしいキャラなのは想定外でしたが。

茉莉花さんがスポンジで背中を擦る。
「さすがにスポーツやってるだけあっていい筋肉してますなぁ」
「そんなんでもないよ」
「剣道部、強くなりそう?」
茉莉亜さんが聞いてくる。
「うーん、今すぐ、とは行かないかも」
「へえ」

「2人は、部活には入ってないの?」
「あんまりキョーミないんだよねー」

僕や亜里沙さんとはまたタイプが違う、所謂『武芸を嗜む者』ではないこの双子。
明らかにノリの軽い性格だし、縦社会の部活動は合わないかもしれない。

「亜里沙ちゃんは剣道強いでしょー」
「そうだね、僕でも敵わないレベルだね」
「いやぁ、剣道強いし、クールでカッコいいよね、亜里沙ちゃんは。だからこそ、ちょっかい出すと楽しいんだなこれがー」
…亜里沙さんはあんた等のおもちゃじゃないんですよ。
ってか、あの力を持つ亜里沙さんをからかえるこの双子、只者じゃないだろう。

身体の隅々まで2人が洗ってくれて、シャワーのお湯で流してくれた。
破天荒、騒がしい双子だがやることはきっちりとやってくれるし、なかなか上手だった。

今はみんなでお湯の中に浸かっている。
「ふー」
「温泉っていいですなあ」
「心が癒されるよね」

茉莉花さんがふと、僕に
「樹くんは、好きな女の子とかいるの?」
と聞いてきた。

「好きな…ねぇ。そんなこと考えたこともなかったなぁ」
「うーん、そうなのか」
茉莉亜さんが応える。
…少しガッカリされてません?

「今の樹くんの環境は、なかなかないことだぜ」
「うん、自分でもそう思う」
「ま、いずれ何かがわかるときが来るさ」

…いつもの双子のキャラとは違う、落ち着いた口ぶりだった。
2人が言うようなことが、僕にわかる日が来るかは、まだわからない。

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