驀進!海賊女子学園ー Pirates of B×G ー 3
「さぁ着きました。こちらがイングス政府随一誇り他国から恐れられている通称パイレーツイングスです」
ガチャ。
海賊女子学園の心臓部とも言える生徒海賊会達が集うパイレーツイングスの扉が開いた。そこには様々な貴族の絶世とも言える美少女達がいた。
彼女たちがキャプテンジャネス率いる、そしてイングス政府内の海軍パイレーツイングスとも直結する場に女装した僕が足を踏み入れた。
「ようこそ、リュウ副船長。我らのパイレーツイングスへ」
部屋を見渡すと膨大な広さで様々な設備も整っていた。
「すっ、すごい!何でこんなにすごい設備がいっぱい?」
「あら、この国は領土は小さな諸国ですが財力に関しては隣接する大国にも随一に及びます。」
すると部屋の奥から騒々しい騒音が響いてきた。
「やっと航海演習を終えて帰ってきましたわね。」
「「おーほっほっほっ!恐れ、ひれ伏しなさい我らが海賊女子学園が誇る海賊キャプテンジャネスご到着ですわ!」」
「はぁ、ちよっと!もう少し女性としての嗜みをなさい。ディース!」
「あぁら、ジャネス船長!いいがしたの?そんなに眉間にしわをよせては美しい顔が台無しですわよ!おーほっほっほっ!」
彼女はディース。海賊女子学園の二年生でキャプテンジャネスのもう1人の副船長を努めてる。容姿は長い黒髪の黒い瞳に白い肌の性格が少々、高飛車だか優れた才の持ち主でイングス海軍からも将来の海賊船長の有望視されている。
そんなディースは周囲からは東国のドラゴンガールと呼ばれ恐れられている。
そしてジャネスが周囲を見渡してこう言った。
「今日から新しく副長になった娘を紹介するわ・・・かの『ハンマーオブスティール(鉄槌)サンボルト』と『レディライトニング(電撃淑女)アーネット』の娘、リュウよ!」
周囲がそれを聞いてどよめく。
僕の父、サンボルトは優男ながら砲術の天才で、五等フリゲート艦を操り的確な砲撃で戦列艦すら倒した猛者。
また造船技師でもあり国内で知らない者が居ない存在。
そして母、アーネットはかつて国内外にその名を轟かす大海賊。
三等戦列艦ながら快速で知られる『ライトニングボルト』を操り、自ら戦うだけでなく海賊艦隊の総司令官として幾多の海戦に勝利した存在・・・
現在、海賊女子学園の理事長であるのは前述通りだ。
この二人の名は知らない者はいないからどよめくのは当たり前だが、僕は男だってバレやしないかと冷々しながら周囲を伺って見る。
確かに僕の小柄で華奢な体躯と母さんの若い時そのものの容姿は全く男には見えないのは自分でも自覚ある。
そしてリュウの自己紹介が終わると周囲の美少女達から歓声と奇妙な言葉が飛んだ。
「新入りが入ったってことはキャプテンジャネスと契りを結ぶのよね?」
キャーキャー!と周囲から歓声の悲鳴が聞こえてくるがリュウはそれを不思議に思った。
「キャプテンジャネス?『契り』とは一体何を?」
「『契り』とは昔から海賊の仲間同士で絆を誓い合う言わば仲間入りの儀式のことです。それは我ら生徒海賊会でも代々受け継がれている伝統的かつ神聖な政。」
「じゃあ具体的に『契り』って何を行うのですか?」