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新しい性活
官能リレー小説 - 学園物

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新しい性活 31

 それでも、僕はかなり戸惑っていた、かなり年上の、ということばかりでなく、もともと僕は理事長の話が聞きたいと思っただけだったのに、という思いも強かった。

 僕は何も言わず身を任せていたが、理事長は僕の心をある程度理解したようだった。

 「理事長室に、来なさい」
 理事長は、僕を離して、特に怒っているでも笑っているでもなくそう言った。
 僕はそのまま理事長室へとついていった。
 理事長室は、一つの壁いっぱいに本棚があった。
 理事長は、その中から一冊の本を僕に差し出した。
 そのタイトルは聞いたことあった。テレビ黎明期から活躍して現在は国民誰もが知る名司会者になった人の、子供の頃の回想録のようなもの、だったと思う。

 「しおりを挟んだところを、読んでみて」
 僕はその通りにした。

 主人公は、学校(小学校のようだ)で「今日はプールだ」と言われるが、突然なので水着なんて持ってきていない。どうするんだろう、と思ってその時間を迎えると、プールでは男子も女子もキャアキャア言いながら全部脱いで、そのまま何も着ないで授業に入っていく。

 先生は「『おとこのこも、おんなのこも、お互いの体を変な風に思うことがないように』っていうのが、学園長の考え」のような説明をする…

 僕が本から顔を上げると、理事長はゆっくり言った。
 「この話が、私の目指す理想の基になった、一つなの」
 僕は、聞いている初等部の寮のこと…男女一緒に家族のように暮らして一緒にお風呂に入るのがあたりまえのところ、をイメージしていた。

 「それを、初等部で、実現させたんですね」
 「ええ、初等部では、その理想はうまくいっていると思うの」
 「それで、これからそれを、中等部や高等部でもやろう、とお考えなのですか?」
 
「そういう方向を、考えているの」
 ある程度は予想していたことだが、僕の頭の中にいろいろな思いがめぐった。
 すっかり大人に近い僕たちが、そんな風になれると、考えているのだろうか。
 そして、もしも完全にそうなってしまったら、もう僕は、というか、学園の誰も、周りの異性をセックスの相手とみなくなる、ってことなのだろうか……
「どう思う?」
「え、ええと、大変素晴らしい、お考えと、思います。はい、確かに、僕たちには恋愛も不純異性交遊も、なく、みな分け隔て無く、仲良くしております……しかし、僕たちのような、途中から加わった生徒が、果たしてそう思えるか、と思いますと……」
 理事長は、本棚から写真集のようなものを取り出した。
 その写真に、僕は思わず目を背けた。興奮してしまいそうだったから。
 「ヌーディストビーチって、聞いたことあるわよね」
 「…はい」
 「ここにいる人達は、みんなずっと裸だった、っていうわけじゃない。でも、お互いに興奮したりしない」
 「ほんとうですか?」
 「行った人は、口を揃えて言う『初めは衝撃だけどすぐ慣れる』私もそうだった」
 「いらっしゃったことあるのですか?」
 「ええ、もう少し若いときにね」

 慣れる、と考えると思い当たるところはある。
 姫野さんの裸を毎日間近で見ていることで、いつしかそれだけでは勃たなくなっていた。朝勃ちとか、別のことがあってセックスしているのだ。
 英里奈や絢子は、まだ裸を見ただけで勃つが、もし、毎日毎日裸を見続けたら、やっぱり同じようになるに、違いない。

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