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新しい性活
官能リレー小説 - 学園物

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新しい性活 30

 そうして、理事長が稽古に来る日がやってくる。そろった部員は全員女子だが、練習でもずっとそういう状況だったからそれについては特に緊張はしない。それでも、理事長の訪問に対しては皆多かれ少なかれ緊張していることは伝わってきた。
 「海野先生、いらっしゃいます」
 皆、前に向かって正座し、人影が現れる。皆、一度目を合わせた後、礼をする。
 確かに、一度は見たことがある方だ。編入試験の面接の後の方に座っていた方だ。おばあさんというほどではないが、おばさんだと失礼な感じの、品のいい感じの女性。
落ち着きがありながらも厳格で近づきがたいオーラはなく、どっしりした存在感と母性すら漂ってくる。
僕と頼りになる二人は彼女の後に続いて茶室に入る。彼女はこの学校の主なので、当然亭主だ。年齢からして技量でもこの空間で一番のはずだ。
僕はこの学校で少数派の男子なので、正客の位置に座る。
「種元君、もうここには慣れた?」
「おかげさまで」
「ここは男の子が少ないけど、うまくやれてる?ここはあまり部活がないけど、退屈してない?」
「これまで生徒会なんて考えたこともなかったけど、寮マナーアップ委員として彼女たちと助け合ってます」
「うふふ、仕事を通じて、普段付き合いのない人との出会いも生まれる、一期一会ね」
「はじめは声をかけづらかったのですが、き…会長の助言もあって、思い切って話して良かったです」
こちらから聞きたいことが山ほどあるが、最初は相手を立てる必要がある。この堅苦しい場面もうまく切り抜けなければならない。
「それは良かったわね、ところで…背は伸びた?成長期でしょ?立ってみて」
「え、はいっ…あおっ!」
思わぬ申し出で、足がしびれているので嫌とも言えず、なんとか立ち上がろうとすると、ふらつくので踏ん張って耐えようとする。しかし、たたらを踏んでしまい、彼女の方に前のめりに倒れてしまう。
「あらあら」
「とんだ失礼を、どうかお許しを…彼女たちに罪はありません。緊張しすぎたもので、こんな席で言い訳は見苦しいのですが…」
「ずっとご両親と離ばなれで、寂しかったのね…誰かに、甘えたかったのでしょ?」
彼女は腹をたてることなく、僕を抱きとめる。
「うふふ、茶室は逢瀬の場でもあるの。かつては高貴な殿方だけに許された世界も、女の手に渡って違った形で秘められた場所となったのよ」
空気を察した英里奈と絢子は静かに出ていってしまった。まさかこんな形で管理人さんよりも年上と密着することになってしまうとは、思いもよらない事態だ。
 「私は、こういうスキンシップは大切と思っているの」
 僕はちょっとほっとした。スキンシップが認められるなら、不純異性交遊でなくスキンシップ、という理屈も、もしかしたら無理ではないのかもしれない。
 理事長は、しばらくのあと、一旦僕の腰から腕を離した。
 「ハレ と ケ って分かる?」
 「はい、少し」
 確か、ハレ、って、晴れ舞台、みたいなめったにない場面、だったかな?
 「茶室は本来ハレの場。でも、何でこう言ったか、というと、何にでも公式と非公式がある…」
 理事長はそう言って、もう一度僕を抱き寄せた。
 服の上からはわからなかった理事長の胸を感じた。
 「あ、あの…」
 「もし、不純異性交遊のこと、心配しているなら、私は女を卒業しているの。もう、異性じゃない」
 
 

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