新しい性活 20
そして、いよいよその琥珀色、って言っていいのだろうか?の液体がそれぞれのグラスに注がれる。
今度は本当に蜂蜜の香りがたぶん部屋中に広がった。
「「乾杯」」
三人はグラスを持ち抑え気味の声でそう発声し、グラスを鳴らし、三人同時に口を付けた。
「あ、飲みやすい。ジュースみたいだ」
「そう。度数とか、分からないけど、多分普通に売ってるお酒よりは薄いと思う」
「薄いからって、飲みすぎたら酔っぱらうから、気を付けてね」
「でも、この瓶がなくなっても、この辺の部屋では作ってるとこいくつかあるから、この瓶あけるくらいは、遠慮無く」
木南さんはニコッと笑った。
確かに、油断しているとそのくらい飲んでしまいそうだった。
僕は少しずつ、飲んでいった。
「いつくらいに飲みはじめたの?」
「中等部に上がってから…さすがに初等部では作ってない」
榊さんは笑って応えた。
「初等部から海峰だったの?」
「うん、絢子も」
2人は昔からの仲だったわけだ。
この春からの僕にとってはそういう人がいるのが羨ましく思う。
「初等部からの子だと代々受け継がれていくものなの」
「この瓶も、もう何代目かわからないね」
そうやって話しながら、3人で飲み進めていく。
榊さんの頬がほんのりピンクに染まっている。
「やっぱり、部屋に来た後輩が知ってる子だと秘密教えやすいからね…男の子だと、ちょっと人を選ぶかな。甘いもの好きじゃない人はあんまり飲まないだろうし…種元君は甘いもの全然大丈夫なんだね」
「うん」
確かに、蜂蜜を何分の一かにしただけのような甘さと粘度。僕が甘いもの好きだからどんどんいけるけど、そうでないとこの酒を気に入ることはないかも知れない。
僕は山田君も初等部から来たと聞いたような気がしたことを思い出した。
「さっきいた山田君のことも知ってた?」
「うん、私たちが五年生の時の一年生でしょ。部屋は近くなかったから話したことはなかったけど、名前と顔は知ってたよ。英里奈も知ってたでしょ」
「もちろん」
僕は初等部の寮の風呂の話を思い出していた。
榊さんも木南さんもきっと初等部を卒業する頃には結構胸が膨らんでいたに違いない。山田君は多分、一年生から二年生の終わりまで、この先輩の胸がだんだん膨らんでいくのを見ていたのだろうか。まあ、その年代ならまだ完全に子供だし「家族のようなもの」だから特に何も感じないのかもしれないが。
そう思っても、僕にとってはそうではないので、ちょっと股間がうずいてくるような気がした。