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新しい性活
官能リレー小説 - 学園物

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新しい性活 17

「なるほど、寮に規律を取り戻したいと」
「そこまで大げさなものでは…」
茶道部なら作法に精通していると姫野さんの判断だが、彼女が男子の存在をどう考えてるかまでは読めない。
古風な印象を与えながらも背が高くて背筋がピンと伸びていてモデル体型なので、大人びた美少女に留まらずどこか凄みがある。
「どうやら、思い違いをしていたようです。貴方は保身を図らんがために会長に媚びるだけの小物だと思っていました。志をお持ちだったとは」
「よかった、誤解が解けたようで」
「ところで、後ろ盾はいるのですか?」
「管理人さんだな、寮の運営には重要な人物だし」
「彼女には世話になったことがあります。胸の下着の件で…いいえ、こちらの事で」
彼女は言葉を濁すが、よく見たら胸も大きい。着物には不利なスタイルだ。
「面識があるなら話が早い。裏方の人だし、嫌ってないかと」
「分かりました。バレー部と吹奏楽部の横暴を抑えて女子も男子も節度ある暮らしを行える環境づくりのお手伝いをします」
最後のセリフに彼女の真意が見えたが、腹を探るのは大変なので彼女の潔さに内心感謝しつつ握手を交わした。
 そのあと「協力してもらう」と言いながら状況が変わって当初案がボツになっていた山田君を巻き込み、榊さんは茶道部からもう一人くらい連れてきてくれることになり、四人で活動開始できそうになった。
 管理人さんに報告すると「頼もしいわね」とお褒めをいただき、過去にこの委員会がどんな活動をしていたかを生で経験している唯一の現役生徒、三年生の江藤淳先輩に連絡を取ってくれた。

早速放課後、榊さんたちと一緒に江藤先輩に会うことができた。

「やあ、初めまして」
「初めまして、種元雄馬です」
「種元くんと同じクラスの榊英里奈です。こっちは同じ茶道部の木南絢子」
木南さんはぺこりと頭を下げた。

江藤先輩は優しくて人の良さそうな印象だ。
「ありがとう。僕のいるうちに活動が再開できるなら嬉しいよ」

「いきなりですけど、どうして委員の活動が急に下火になったんですか?原因がわかれば、その面で配慮したいので」
「ああ、窃盗事件があったんだ。財布がなくなったって。手癖が悪いのはマナー以前の問題だ。君達は大丈夫だよね?」
「はい。先輩が苦手なものがあれば教えてください」
「清潔好きだし掃除は得意だけど、管理人さんは苦手でね。彼女の考えは分からないけど、暇な時だったら相談に乗るよ」
「あの人にも許可は貰ってるので、後は彼女たちの働きにかかってます」
「ここは女子が多いからね。女子だけのスペースが汚いと、全体に波及する」
 「女子だけのスペース…」
 風呂とかトイレのことだろうか?
 僕の疑問を察してか江藤先輩は続けた。
 「当時はまだ今より女子専用のスペースが多かった。窃盗そのものは、しばらくして監視カメラがついて…」
 江藤先輩は今話している談話室の監視カメラを視線で示した。
 「少なくとも大騒ぎになるレベルでは再発はしなかったけど、活動を再開しようとしたときに女性の先輩がほとんど去ってしまっていたから、女子専用のスペースはだんだん散らかるようになっていってそれが波及していった」
 僕たちは、雑然とした談話室を改めて見渡した。
 「もうすぐ、女子専用のスペースも全部無くなるし、活動再開にはちょうどいいタイミングかも知れないな」
 僕は、おや、と思った。無くなっていくのは男子専用施設ではなかったか?

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