PiPi's World 投稿小説

目指せ独占! 爆乳女学院
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 28
 30
の最後へ

目指せ独占! 爆乳女学院 30

平行に並べられた長いす。その最前列の右側の通路側に腰かけ、黙想する。
動くものが無くなった教会内は、厳かな静寂を取り戻し何時もどおりの神聖さをかもし出している。

――ギィィ・・・ィィ・・・バタン・・・。

そんな静かな世界に木製の分厚い扉が開く音が鈍く響き渡った。
そして、赤い絨毯の上をゆっくりとした足取りで此方に近づいてくる人物。
「おや・・・もう“終わってた”のか。 残念・・・」
「会って一番に言うのがそれですか」
座っている私の右斜め後方、猫なで声であまり残念そうに聞こえない人物に私は冷たく吐き捨てる。
「おやおや・・・何時会ってもあなたのその見下ろす口調は何とかならないんですか? 一応、シスターでしょうに」
「だったら、会うたびにその猫なで声は止めてくれるかしら? 耳が腐るわ」
そう冷たく言いながら、私はイスから腰を上げる。正直、顔も見たくは無いのだけれど、顔を見て話さなければ意味がないので嫌々ながら私は後ろを振り返った。
振り返った先、ステンドグラスから零れる光で照らされているのはスーツに身を包む一人の男性。
七三分けにした黒髪に、白縁メガネを付けた脂ぎった顔。口は半開きになっており、ソコから呼吸を繰り返している。
首から下はまさに今時の中年男性を感じさせる体形をしており、でっぷりと肥えた腹は今にもスーツのボタンを弾け飛ばしそうだ。

彼との協力関係を築いて早6年になろうとしているが、今だこの醜悪な存在に慣れることはない。

「それは失礼。では、お久しぶりですね・・・シスター」
「えぇ、お久しぶりです。 教授」
私の言った直後に口調を何時もの“人当たりの良い中年男性”に戻した教授に、内心吐き気を感じながら自分も両手をヘソ辺りに添え、ペコリと頭を下げる。

「それで、“計画”の方は順調ですか? 学園の管理全般は全てあなたに委ねているのですから心配ないと思いますが」
「ご心配なく。 計画は少しずつですが順調ですわ。 これでも私、学園では人気の的なんですから」
「はははははッ・・・そうでしたね! すっかり忘れていましたよ・・・いやぁ、私は運が良い。 6年前、貴方に協力を仰いだのは正解だったようだ」
「此方こそ、私も教授と出会えて今の様な生活を送れているんですから。 一蓮托生ですよ」
「ええ、もちろんですよシスターマリア」
私の言葉に教授はそう言って笑みを浮かべる。
(フン!良く言うわね・・・)
だが、私はこの男が口元では笑みを浮かべながらも、私の事をイザと成れば切り捨て可能な便利な道具としか思っていない事をその視線から読み取っていた。
「兎に角お願いしますよシスターマリア・・・私にとってもこの学園は大切な実験牧場ですからね・・・何せ私の顧客の方々は、品質には五月蠅い方バカリですから」
「無論心得ているわ」
この男は昔から自分で製造した媚薬などの薬を使って女を奴隷にして散々玩具にした挙句飽きたらブラックマーケットに売り飛ばすと言う事を繰り返していたらしい。
今ではそれだけではなく、製造した薬の売買や、奴隷化した女たちを上流階級の変態共相手の娼婦にするなど様々な取引を行っており、裏社会に歴然たるパイプを持っている。
この男が私を不要と判断すればその瞬間私は行方不明に成るか、事故死か、自殺体で発見される事に成るだろう。
だが、逆に私の存在が自分の利益に成っている間は、この男は決して私を切り捨てる事は無い。

その逆もまた然り。この男の存在が私の利益になっている間は、私はこの男を裏切る事はない。

「それと・・・最近、この学園に新しい教員が入ったと聞いたのですが」
「あら、随分耳が早いのね」
他愛のない会話をする如く、男は最近あったばかりの事を口ずさむ。しかし、コレに対して私は驚く事はない。
この男の情報網は「ずば抜けている」の一言で済まされるのだ。しかも此処は彼の牧場――この程度の情報など簡単に手に入る。
外見で人は判断できない事を証明できる分かりやすい実態だ。
「で、確かにその通りだけど・・・それが何か?」
「嫌ね・・・少し気になっただけですよ。 それで、どうなんですか? その教員は」
「別に。 一見変わった所はないただの平教員ですよ」
何でもないかのように言う私の言葉に何か言いたげな表情をしたのは一瞬――直ぐにニヤニヤとした笑みを浮かべる。
「そうですか・・・なら良いんです。 では、良い夜を」
「はい。 其方こそ良い夜を」
そうお互いに言葉を投げかけ、今宵の面会は終了した。男は振り返る事無く教会を後にし、私は男が出て行くまで頭を下げ続けた。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す