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スクール・デビル!!
官能リレー小説 - 学園物

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スクール・デビル!! 3

俺も急いで着替えを終えると、エリカ先輩と家を出た。
俺の部屋から、出て来た先輩の姿を見ても、うちの親は何も言わなかったが、先輩が何かしたのだろうと察した。

学園に着くと、俺は生徒達の注目を集める。
学園のアイドルと同伴登校なのだ、当たり前である。
俺は何とも言えない優越感に浸りながら校門を通り過ぎた。

「それじゃあ、ここでお別れね」
「あっ、はい、先輩」
「そうそう放課後、映研部に来てちょうだい、あなたに仲魔を紹介するわ」

そう言い残すと先輩は自分教室へと行ってしまった。
先輩の下僕……一体どんな人達なんだろうか。
俺は好奇心に胸踊らせながら、授業を受ける事となった。
そして放課後、俺は映画研究部の部室に向かった。

「ってその前に、なぁ山田、映研の部室って、何処だか知ってるか?」
「なんだ若林、映研に何か用なのか?」

クラスの友達の山田に、部室の場所を尋ねる。
今朝は舞い上がっていて忘れていたが、肝心の部室の場所を俺は知らなかったのだ。

「あ、ちょっと呼び出されてさ…」
「マジかよ?お前何かしたのかよ?」
怪訝な表情を浮かべる山田…『呼び出し』って言ったのが不味かったのかな?

「あーいやな、ちょっと知り合いがいてな…」
「嘘だろ?映画研究部はとっくの昔に廃部になってんだぜぇ、部室なんて廃屋になってんじゃないのか?」
「え、そうなの?」
「若林お前、いつものようにからかわれたんじゃねーのかぁ?」
「『いつものように』って、余計だよ…;」
「まあ嘘だと思うなら北塔の地下に行ってみ!帰ってきたらいつものように慰めてやっからよ…」

背を向けたまま手を振る山田…
気障だけど、かっこいいんだよね…;

北塔、その名の通り学園の北に建つ、古ぼけた石造りの塔である。
もう何年も利用されていないのか、積み上げられた石の隙間には、あちらこちらから雑草が生えていた。
山田の言う通り、遠目から見ても、とても部活動を行っている気配など、微塵も感じられなかった。

「これは……かなり長い間使われてないぞ。本当にここなのか?」

それでも一様気になった俺は、近くまでよって確認しよう思った。
近づく程に塔のボロさが目に付いていく。
だが、ある程度近づくと、その印象に違和感を感じ始める。
更に近づくと北塔の姿が揺らぎ、霧散していく。
そしてその奥からは、しっかりと手入れの行き届いた、美しい姿を保った北塔が、姿を現した。

「塔が……綺麗になってる……もしかして、これ先輩の悪魔の力なのか」

俺は悪魔の力の強大さに、驚かされながら塔の中に入って行った。
「誰か…いますか?……エリカ先輩…いませんか?…」
怖ず怖ずと出す声が、エントランスに響き渡る。
大理石貼りの鏡のように磨かれた床が、俺の貧弱に痩せた姿を写し出していた。

シーンと静まり返った空間から、返事は無かった。
俺は勇気を振り絞り前に歩み出る。
コツリ、コツリという俺のロファーの靴音が、静寂を撃ち破るかのようにやけに大きく感じた。

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