スクール・デビル!! 2
そこには殆ど治っているが、身体を両断するような、大きな傷跡が残っていた。
「嘘だろ……」
「本当よ、思い出して見なさい、昨日の最後の記憶を」
「昨日……」
俺は昨日の事を思い返してみる。
普通に学校を終えた俺は、ダチとゲーセンで遊んだ後、近道をして帰ろうと裏路地を歩いていた。
その時何かが聞こえた気がして、建築予定地の空き地を覗いたんだった。
そしてそこで誰かと戦う、エリカ先輩を目撃して、先輩が斬られそうになって、それで無意識に身体が動いて……
「あの時死んだのか、俺!?」
「思い出したようね。そうよ、あなたは私を助けようとして、死んでしまった。
だから私は、悪魔のしきたりに従い、あなたの新しい命を与えたの、私の下僕としてね。
悪魔は願いを叶えて代償を貰うのが仕事なの、それを人間の方から無償奉仕されたら、対等なモノで返さなきゃいけないのよ」
「悪魔って……そんな実在するはず……」
「居るわよ、ほら」
そう言うと、ベッドに腰掛けていたエリカ先輩は、背中からコウモリのような翼を現した。
「ウソ……」
「驚くこと無いわ、あなたの背中にだって、ほら、生えてるわよ」
「っ!? ほんとだ!!」
先輩に言われ背中を触ると、小さいが確かに翼のような物が生えていた。
「という訳で、これからはよろしくね、正俊くん!」
「あ、はい。よろしくお願いしま……って、俺、悪魔になっちゃたの!?」
こうして俺はいつの間にか、悪魔に生まれ変わり、エリカ先輩の下僕として、生き変えらせられたのだった。
その後、混乱する俺を先輩はおっぱいで抱擁し、悪魔としての生き方の良さを教えてくれ、何とか事態を受け入れる事に納得した。
「さてと、そろそろ登校の仕度しないと遅刻するわね」
「えー先輩、せっかく悪魔になったんだし、このまま肉欲のままに遊びましょうよ!」
「ダメよ、悪魔にも規律やルールはあるのよ。
それに今のあなたじゃ、私とは出来ないわ」
「えっ……なんで!?」
「あなたは下級悪魔、私は上級悪魔、無理やりヤろうとすると、魔力の差であなたのゾウさんが、挽肉になるわよ」
「そ、そんな……」
無慈悲なお預けに、俺は力な床に膝を付くのだった。
「でもこのルール、男悪魔から女悪魔を襲う時だけなのよね。
女から襲う時や相手が悪魔以外なら……」
「それって……」
「ちゃんと私の為に働いてくれたら、そのうちご褒美あげてもいいわよ」
「よっしゃ! 不詳この若林正俊、先輩の下僕を精一杯、全力で頑張らせていただきます!」
「期待してるわよ、正俊くん」
エリカ先輩は俺に微笑むと、部屋の中央に立ち指を鳴らす。
すると、そよ風が巻き起こったかと思うと、先輩は全裸から制服姿へと変わっていた。