スクール・デビル!! 15
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雪菜ちゃんと暮らし初めてから数日。
いつもと同じ様に今日も放課後、部室に顔を出す。
だが、いつもは居るはずの皆が、今日は誰も居なかった。
代わりに机に手紙が一枚。
『正俊君へ、屋内プールまで来るように!』
と書かれ置かれていた。
俺は手紙に従い校内の屋内プールに向かった。
ウチの学校のプールは、温水プールで年中使用可能な豪華な物だっのだ。
俺がプールに着くと、何やら騒がしい声が聞こえて来た。
「今日も私が勝たせて貰うわ!」
「いいえ、今日は私が勝ちますよエリカ!」
プールの中では先輩と、もう一人聞き覚えのない声が言い争っていた。
疑問に思いつつ中に入るとそこでは、水着姿の映研メンバーともう1グループが水着姿で向き合っていた。
先輩達と向き合っている人物をよく見ると、その顔には見覚えがあった。
「あれは……生徒会の人たち?」
そうだ生徒会のメンバーだ。
校内ので先輩と同じ位の男子人気を持つ、生徒会長を始めとする生徒会メンバーが、向かい合っていた。
生徒会長の剣崎美姫、副会長の鉾峰雨音、書記の弓塚夏音、そして唯一の男、雑務の楯健吾だ。
「あっ、遅いわよ正俊!こっちに来なさい!!」
「あの、先輩これはいったい?なんで生徒会が?なんでプール?」
呼ばれたは良いが疑問がいっぱいだ。
「美姫の所と対決よ!」
「えぇぇ!」
「ちゃんと説明しないとダメですよエリカ」
説明を端折るエリカ先輩を彩音さんが注意する。
「実はね、あの生徒会メンバーも悪魔なのよ!」
「えぇぇぇぇ!?」
「しかも生徒会の美姫はエリカとは幼馴染の特級悪魔なの。
そして後のメンバーは私達と同じ様に美姫の下僕。
エリカが男の下僕を増やしたから、対抗して自分のところも増やしたみたいね。
二人共いつも張り合ってるのよ」
「そう言う事よ!下僕自慢は悪魔の常識、正俊あなたの力見せてあげなさい!」
「望むところです、うちの健吾の実力に驚きなさい!」
先輩も生徒会長も意地っ張りなんだなぁ……
まぁ、俺としては全員スタイル抜群な上に極小ビキニ。
なんかそれだけでごちそうさまな感じ。
いいなぁなんて思ってると、結衣が小突いてくる。
「一番要注意なのは、楯健吾・・・美姫様の幼馴染で『騎士』の称号持ちよ・・・しかも、雨音、夏音の『つがい』でもあるわ」
結衣の話によると、美姫、健吾が3年生。
雨音、夏音が2年生。
ライバルではあるけど、親友でもあると言う事。
今日は勝負半分と、俺の『お披露目』兼ねてらしい。
「今の正俊には健吾先輩にどうやっても勝てないけど、姫を護る騎士とはどう言うものか見ればいいわ」
「で・・・結衣姐さん、騎士ってなに?」
そもそも騎士って何って疑問からして新米悪魔の俺には分からない。
「ああ、そうね説明してなかったわ・・・男悪魔でつがいを持つ実力があり、仕える姫(特級悪魔)から魔神剣を授かった者が『騎士』と呼ばれる存在よ」
つまりファンタジーとか中世の世界で言う騎士そのものな訳だ。
そして『魔神剣』なんて厨二的な響きがあっていい。
「まぁ、負けてもいいから思いっきりいきなさい!」
そう結衣に言われて挑んだものの・・・
結果、惨敗。
「うちの下僕相手によく頑張ったわ」
誇らしげに高笑いする美姫先輩。
その美姫先輩を膝の上に乗せる健吾先輩。
長身イケメン、そして嫌みなく爽やか。
負けて納得できてしまう相手だった。
「うう・・・結果は仕方ないけど悔しいですわ!」
ふくれっ面のエリカ様。
ちょっと可愛い。
結果として、俺は健吾先輩に完敗。
雪菜ちゃんは夏音さんに負け。
唯一、結衣が雨音さんに勝って1勝2敗。
特に雨音さんと夏音さんは悪魔としてのキャリアが短いのにいい勝負したから、雪菜ちゃんもしょげていた。
「仕方ないわ、健吾先輩のつがいになって実力上がってるんだから」
結衣が雪菜ちゃんを慰める。
健吾先輩だけが昔からの美姫先輩の下僕で、雨音さんと夏音さんは俺と同時期ぐらいに悪魔となったらしい。
同時期だけど、健吾先輩がつがいとしてセックスしてるから、実力が飛躍的に上がったのらしい。