先生教育委員会 9
「やっちまった……」
教え子に手をかける。
それだけはできない。
しかしそれに似た罪悪感を、真田をオカズにした自慰はもたらした。
だから封印してたのに。
生徒を想像してのオナニーは絶対にしないと誓ったのに。
何故ならそれは、罪悪感とともに得体のしれない快感を覚えさせるから。
背徳感を伴う、禁断の火アソビ……。
その断片に触れてしまった。
固い意志が揺らぐのが自分でもわかる。
だから俺は、今回だけ……と何度も心で念じた。
その甲斐があるかは、今のところ不明だが……。
放送室に戻る道すがらも…一旦、燃え上がってしまった俺の欲情の炎は一向におさまる気配はなかった。
おさまるドコロか、放送室にいるであろう真田の事を考えると…。
一段と、どす黒い欲望に色つきメラメラと俺の心を焼き尽くす勢いだ。
荒い呼吸を繰り返しながら、ブースのドアを開けると。
「せんせ〜!ほおそおぉ!」
立ったまま…唇をへの字に歪めた真田が小動物の様な瞳で訴えてきた。
そうだよな…。
俺もいない、真田は立ったままじゃ。
放送なんて出来るはずはないよな。
しかし律儀に立ったまま待ってるなんて。
真田…おまえは…。
おまえは何て可愛いんだ。
「せんせ〜!放送出来ないよぉ」
真田は身体をモジモジと身体をくねらせて訴え続けている。
ダメだ…喉がカラカラだ。
「さ…真田…放送しながら体罰を続けても平気か?」
俺の口をついて出た言葉。
何故か他人の声の様に聞こえた。
「うん…」
少しハニカミながらコクンと頷く真田。
もぅ…止まりそうにないな…俺。
「真田…おまえ…俺の言う事は何でも聞くのか?」
俺の声…掠れている。
「た…体罰だもん、言う事聞くよ…何でも」
真田はそう言うと恥ずかしそうに顔を背けた。
いいんだな…いいんだな。
「真田…ほ…放送前に…し…下着検査だ」
ついに言ってしまった。
放送と下着の検査なんて何の関係もないのに。
さっき見た下着が忘れられず…ついに言ってしまった。
はっ!マジか!?
両頬を赤らめた真田が短いスカートの裾に手をかけた。
あぁぁぁ!捲り上げてゆく。
「白……です……」
知ってました。
知ってましたが、自分の手で校則違反でないことを見せつけ、しかもその口から色まで言っていただけるとはっ!
「ど、どうかな……まだ下に穿いてるんじゃないか……?」
「そ、そんなことしませんっ、フツー……せんせぇ、ほーそーの時間……」
「わかってる……」
俺は右手をMDデッキに伸ばし、スタンバイに入った。
鼻息が荒いせいか、腕がプルプルふるえてる……。
真田は立ったままのマイク位置を取り、俺に合図を送った。