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先生教育委員会
官能リレー小説 - 学園物

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先生教育委員会 6


「んっふっふ〜。どうしたんだい、誠二君?きみともあろうものが、格好をつけるだなんて……。どんな心境の変化なのだろうか?」

「別に。なんでもないよ」

――職員室。
三年生の担任席が集まる窓際の列の、端から二番目の事務机――つまり、三年B組の担任である自身の席に俺が腰をかけたと同時に隣から含み笑いとともに揶揄するような声で訊ねられた。
内心、面倒くさいヤツだな、と漏らしながらも無難な回答をしてやる。

「なんでもない!?なんでもない、で茶髪ですか?『学園史上最悪の年代』の名が廃るよ、それじゃあ」

やれやれ、と大仰に肩をすくめるこの男の名は相上恭一郎(サガミ キョウイチロウ)。三年C組の担任で、俺の同期入校の物理教師だ。
白衣こそ纏っているが、ドレッドヘアーに銀色のピアスを付けるという、生徒ならば停学モノの風体をした色の黒い男だ。
顔は……特に可もなく不可もなく、ってやつだ。
特徴はウザイ。趣味はスコッチ、特技は俺をうんざりさせることだ。
(いつものように)俺は辟易としながらも律儀に聞き返してしまう。

「なに、その学園史上――って?」

「えっ?知らないの?僕ときみと蓮川君の三人の総称。あの年にやってきた教師、最悪ぅ〜、っていう意味さ」

「なんだ、それ?聞いたことがないよ」

「だろうね。僕がいまさっき、考えたんだから」

……。
こうなるとわかって口を聞いたのだったが、やっぱり、うんざりした。
なんで、この男と隣の席なのだろう?

「まあ、さ。『水辺の生物』よりかはマシだよね」

「今度はなんだ?いつ考えた?」

「これはウチの子たちが、言っていた。水辺の生物――なんだろうね?ミズチか、ヒョウスベか、エンコウか……」

「それは全部、河童の別名だと知って言ってるんだろ?」

「ありゃりゃ、バレた?」

「俺、国語科教師。大学で古文学も取っていた。っていうか、おまえだってなんて呼ばれてるか知ってるか?『アイウエお化け』だぞ?」

「アイウエ……はいはい、相上で、アイウエか。うん、上手いね。久しぶりにイラッときた。これでお相子だね、『絶対に合いたくないトイレの神様』?」

「それもC組で?」

「うん、正解」

「覚えてろよ?おまえのクラスの生徒全員、成績表に赤をつけてやる」

「あっ――いいね、それ。僕もきみのクラスの子たちを赤点にしよう。きっと、スカッとするよ」

「冗談だぞ、俺は?」

コイツは本当にやりそうで怖い。
っていうか、そもそもだ。

「何の話しをしているんだ?」

「きみのクラスの……えっと、真田さんだっけ?可愛いよね〜。妹として一家に一人――って話しだよ」

「…………」

「あっ、その目は僕の嫌いなヤツだ。ごめんごめん。でも、真面目な話しさ……良いよね〜、懐かれて」

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