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先生教育委員会
官能リレー小説 - 学園物

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先生教育委員会 12

「んっふっふー、難しい顔をしているねぇ。少し頭を冷やしたらどうだい?僕らのポジションは楽だよぉ?」

あくまでオマエは俺を同等と捉えるんだな。
断じて俺は認めねーぞ。
まず、三年前から同じ枠組みで囲まれてるのが気にくわない。
ただ……頭は冷やした方が良さそうだな。

「おっ。その気になったのかな?」

席を立った俺に向かって気味悪い笑みを浮かべる相上。

「いや?」

「強がりだよね?わかるよぉ。今更だとか思って・・・」

グチグチと言葉を連ねる相上には好き勝手言わせておいて、俺は職員室を後にした。

しかし……頭冷やすっつってもどこに行けばいいのやら。
放課後になって、グラウンドにも体育館にも中庭にすら生徒がいるこの状況……。

そう言えば、屋上は立ち入り禁止だったな。
と言うことは、あるいは……。
うん、鍵はついてるが、文字通り付いている状態。
施錠は解かれたままぶっ壊れてる。
立ち入り禁止の貼り紙が虚しく揺れてるよ、っと……。

「うーん……はぁ……」

案外気持ちいいな。
若干風が冷たいが、贅沢は言ってられないよな。
茜の空に灰色がかった雲、ピンクのパンツとくりゃ気分転換には……。

…………は?

だ、誰だ!
そこで寝ころんでる奴はっ!
むむ、無防備過ぎるっ!

「…………」

何故か音を立てないように忍び寄る俺。
こいつは……加茂か?

「ひっ!」

顔を覗き込んだまさにその時、加茂の目がパチッと開いて思わず変な声が出た。

「…………」

「…………」

しばし無言を交わし合った後、加茂はこっちを一瞥して、上体を起こした。

「わからない」

わ……わからない?

「やっぱり空を泳がないと、雲の気持ちは知り得ない、かな……」

加茂はたまに意味のわからないことをボソッと呟くが、いつになっても慣れないなぁ……。

「で、何か用ですか?」

「いや……って言うか、ここ立ち入り禁止だろ……?」

聞いているのかいないのか、加茂は組んだ手を返して前に突き出す。
そしてググッと伸び上がった。

……え、ちょい待ちっ。
右手のアカイゴムは何だ?

「そうですね」

加茂は悪びれた様子もなく、独特のオーラを纏って俺を見上げた。
3Bの中でも特有の雰囲気を醸し出している加茂。
その右手首に、赤いゴム……。

「どんな体罰がお望みですか?」

挑発的な口角の歪み。
まるで、昼休みのことを知っているかのような、妖艶な微笑……。

「待て待て。何でそうなるんだ?」

そうそうそう。
俺はここに頭を冷やしに来たんだ。

「立ち入り禁止なんですよね?ここ」

はっ! しまった!

「何でもしますよ?体罰の名の下に……」

体罰の名の下に、一見体罰に見えないようなこともやる。
加茂の目はそう続けている。
封じ込めようとしているもう一人の俺へ語りかけるように……。

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