風紀委員会 5
「でもそんな気持ち悪い自分とはさよならだよ…今から3つ数えて僕が手を叩くと鏡が割れるよ…それと一緒に自分も壊れる…今日君は生まれ変わるんだ」
「生まれ変わる…」
「自分を壊すともっと気持ちよくなれるよ…気持ちよくなりたいよね?」
「はい…トモミ…きもちよくなりたい」
(トモミ…ダメ!お願い…目を覚まして…)
ミナミには見ていることしか出来なかった。
「いくよ…1、2、3…」
パン!
佐々木が手を叩いた。
「今君の鏡は粉々に砕け散ったよ。これで君は生まれかわれる」
「生まれかわる…キモチイイ」
次の瞬間、佐々木の口から信じられない言葉が飛び出した。
「今日から君は風紀委員。風紀委員が顧問の言うことにはなんでも従うんだ。当然だよね。わかった?」
「うん…」
「ちょっ…ふざけんな佐々木!」
みなみが声を荒げる。
「無駄無駄。今彼女には僕の声しか聞こえてないよ」
「くそっ…」
「続けようか。トモミ、君は僕の命令の通りにするのが気持ちよくてたまらない。何故なら君は僕のことが好きだからね」
「うん…トモミ…先生…好き…」
「さあ、僕が次に手を叩くと君は生まれ変わるよ。新しい自分になるんだ。」
「新しい…自分…」
「それじゃあいくよ」
佐々木が手を叩いた。
「う…う」
目を覚ますトモミ。
「トモミ!大丈夫か!お前さっき変なことされて…」
「トモミ」
ミナミの声を佐々木が遮った。
「トモミ、君は今日から風紀委員だ。これから私の言うことには全て従ってもらう。」
「当然でしょ?佐々木の言うことは絶対服従に決まってるじゃん。」
まるで恋人を見るような目でトモミが佐々木を見つめる。
「トモミ、どうしたの!?目を覚まして」
「覚めてるよ?アタシは佐々木のおかげで生まれ変わったの。今日からアタシは佐々木の奴隷なんだから!ね?」
「佐々木先生、と呼びなさい。それと私には敬語で話すこと。」
「はーい、佐々木先生」
ミナミは愕然としていた。目の前の状況が信じられない。