風紀委員会 1
ここは都立M女子高校。都内で最も悪名高い高校で、各地から不良の集まる高校であった。
ある男性教員がこの学校に赴任するまでは…。
とある教室の休み時間。
「ねぇ、新しく来た先公知ってる?」
「佐々木でしょ?なんか『風紀委員会』とかいうの作ったらしいね」
「そんなの誰もやらねえし!あいつ頭足りてねえんじゃねえの!」
「だよねー!本当にバカ!あたしたちが教育してあげようか?逆に!」
「アハハ!そうだ、いいこと思いついたよ!」
職員室。
「佐々木先生、風紀委員会なんか作って…生徒の反感を買ったらどうするんですか?先生この学校に居られなくなりますよ?」
「大丈夫ですよ篠田先生。私はちょっとやそっとじゃくじけませんから。」
「でも…」
ガラガラッ!
職員室の扉が勢い良く開いた。
扉を開けたのは、先程教室で話していた2人の生徒。
「ねぇ!佐々木っている?」
「何なんですかいきなり?佐々木なら私ですよ?」
「実はさぁ、風紀委員会に入ろうと思って。」
「ほぅ…あなたたち名前は?」
「私はトモミ。C組」
トモミは小柄で、パーマがかかった金髪は胸のあたりまで伸びている。
ピンクの大きめのカーディガンを着ていて、かなり短めのチェックのスカートから今にも下着が見えそうだ。
「あたしはミナミ。トモミとは同じクラス。」
ミナミはトモミよりは背が少し高いだろうか。
さらさらした茶髪は頭の上の部分だけ後ろで1つに結われている。
学校指定のブレザーを着ているがトモミと同じくスカートも短く、風紀委員に適した人物とは言えない容貌だ。
「どうせ誰もやる人いないだろうから、あたしたち2人が手伝ってあげようと思ってさ」
ミナミが得意げに話す。
「本当に!助かるよ〜これでいろいろと手間が省けましたよ」
佐々木はとても嬉しそうだ。それを見て2人が顔を見合わせてニヤリと笑ったのを篠田は見逃さなかった。
「あなたたち、何か企んでるんじゃない?そもそも、その服装…よくそんな身なりで風紀委員やろうと思ったわね」
2人の顔が一瞬硬直する。
「まあまあ、最初からそんなに高いレベルを求めてもしょうがないですよ。それに志のある生徒を疑うのは少し失礼じゃありませんか?」
佐々木はあくまで生徒を信じている様子だ。