風紀委員会 6
「さあミナミ、次は君の番だ」
「そうだよミナミ、ミナミも生まれ変わろう?」
「嫌・・・やめて・・・」
ミナミに迫る2人。ピンク色の液体が、佐々木が手に持つもう一本の注射器から噴き出していた。
―翌日。
ミナミとトモミのクラス…C組はざわついていた…。
2人はどうなってしまったのだろうか…クラスのリーダー格であった2人が連れらされてしまったのだ。どうしようもない。
「「ごきげんよう」」
ガラッ。
声とともに突然ドアが開く。
声の主はあの2人ミナミとトモミだった。
しかし明らかに様子が違う。
髪は黒く染まり耳の上でツインテールになっている。派手な化粧は落ち着いたナチュラルメイクに変わり、スカートは膝よりも長い。
優等生。
そしてクラスの誰もが2人の腕についた腕章を見逃さなかった。
『風紀委員』
あり得なかった。
「ミナミ、トモミ、どうしたの…?その格好…。」
クラスメイトの1人が尋ねる。
「え?普通じゃない?ねえトモミ?」
「そうよ、あなたたちの方が乱れているわ。」
言葉づかいも変わっている。
「ねえ、佐々木に変なことされなかった?」
「佐々木"先生"でしょ?私たち、生まれ変わったの。」
「そう、大好きな佐々木先生のおかげでね。ミナミは風紀委員長、アタシは副委員長に決まったわ」
クラスが静まり返る。
「これからあなたたちの風紀を正していきます。よろしくね。」
「もちろん風紀委員も募集していくわ。」
教室は異様な雰囲気に包まれた。
程なくして、そのまま授業は始まった。
この学校の生徒は授業を聴かない。それぞれが思い思いに過ごしている。
しかし今日のこの2人は違った。1時間目からずっと、最前列で話を聴いている。教師も逆に緊張してしまった。
―そして放課後。
理科準備室に佐々木とトモミ、ミナミの姿があった。