風紀委員会 3
「あああああ!」
バットを落として目を抑えて悶絶する生徒たち。
佐々木は他の生徒たちにも素早くスプレーを噴射した。
「うああ!何だよコレ!」
「痛い痛い痛い!目が開かない!」
トモミとミナミ以外はみな床に崩れ落ちて悶絶している。
一瞬の出来事。
「これは僕手作りの催涙スプレーみたいなもの。10分くらいはどんなに目を洗っても痛くて目が開かないけど心配はいらないよ。」
顔色1つ変えない佐々木。
「先公ッ…」
ミナミはギリッと歯ぎしりをした。
トモミは呆然として事態を理解出来ないでいる。
「さてここで君たちに問題を出そう。赤いスプレーは催涙スプレー、じゃあこの青いスプレーは何かな?」
佐々木はおもむろに青いスプレーを取り出した。
「トモミ、こいつは危ない!逃げるよ!」
「無駄無駄。」
佐々木は2人に青いスプレーを吹き掛けた。
「何…コレ…ミナミ…」
「トモミ…」
その場に倒れ込む2人。
「正解は催眠スプレーでした!さて他のみんな、ちょっと2人を借りてくよ。生徒指導をしなくちゃね。」
佐々木は軽々と2人を担ぎ上げると、そそくさと教室を後にした…。
「う…う…」
「目が覚めるのはミナミちゃんが早いみたいだね」
「う……あっ!てめえ!」
ガタン!
ミナミは佐々木に食いかかろうとしたが薬品棚に縛りつけられて動けない。
トモミも同じだった。
「ここは理科準備室。ぼくの城さ。」
「くそっ…誰かー!」
「助けを呼んでも無駄。こんなところには誰も近寄らないよ。さて、そろそろ始めようか…。」
「何する気だ!」
佐々木はピンク色の液体が入った注射器をとり出した。
「フフフ、そもそも君たちは僕が本当に騙されていたと思ってたの?」
「何?」
「こうなることは大体分かってたよ。全部想定内。でも君たちみたいな可愛い子が自分から来たのは想定外だったなー。本当に“手間が省けた”よ」
ミナミに悪寒が走った。最初からこの男は自分たちを性的な対象として見ていたのである。
「お前…最初から風紀委員会なんてやる気無かったんだろ?」
「ある意味では正解かなー。でも風紀委員会は本当。それをやりながら僕の好きなことを好きなようにやらせてもらう。学校の利益と僕の利益、お互いの利益を満たしながらね。」