陣陽学園〜Fight School〜 66
文字通り竹を割った様な割り切りの早さ。
小学校半ば頃、常に一緒の出流と椿に興味を示し、仲良しならキスしろとからかうお調子者の悪ガキがいた。
そして彼の煽りで騒ぐ教室、椿は迷う事なくキスして見せた。
ただし出流にではない、言い出しっぺの悪ガキにである。
「私は出流と正反対にオマエが大嫌いだッ!でもこんなの簡単に出来るッ!こんな物が何なんだッ!」
更に椿は悪ガキを叩きのめした上で全裸に剥き『オマエは男じゃないッ!おチ○○ン食ってやるッ!』と大暴れした程である。
「そう…椿は椿…それでこそ椿…。」
今考えると椿は色々とガチな故に元々ブッ飛んでいたのだ、正に今更な話だ。
「ひぎぃいいい?奥まで届くぅううう!」
誰に抱かれても俺の椿、でもチン○サイズ関係の話は辛いかなぁ、という出流であった。
目の前で椿が翔のご立派なモノに歓喜の叫びを上げている姿。
出流は口惜しい事この上ない、次は誰と絡むのだろう。
出流も椿にのみ絶対的な貞節までは強要出来ない、流儀の範囲内で股を開かせる。
性的タブーの解放と尊厳の両立という矛盾、下半身の共有が山吹組の結束たる流儀だ。
親の命に股を開く事を躊躇った鋭利、躊躇いなく彼女を差し出したKAZUMA。
今は別室で仲良く指導中である二人、真逆の矛盾した理由で咎を受けるのもまたしかり。
「オラァ?ケツ締めろ!このブタ野郎ッ!」
「ひぃうううぅ?痛い痛い痛いぃ!」
出流と同じく真麗愛も流儀に従っていても、パートナーを他の誰かに貸すともなれば多少なりとも荒れるのだろう、しかしそこが人間らしい。
こうした人間らしさを受け止めるのも仕事の内だ。
「…おぉおお…締まるぅ…?」
真麗愛はディルドを介した結合部に失禁でもしたかのような愛液を溢れさせる。
彼女が出流の尻に覆い被さりガクガクと身を震わせていた傍ら、翔もまた恍惚とした表情で椿に取りこまれ放出しているようだ。
やはりこうした部分も兄妹でリンクしているのだろう。
一発抜くと醒めるのか、真麗愛は用済みのオモチャ扱いで出流の尻を蹴飛ばし、愛する兄の元へと向かった。
「おいで、にぃに?」
しかしそこへ若本武留亜が奇声を発しながら椿から翔を引き剥がし、力強くで彼の肛門を貫く。
「ぶらぁあああっ!」
「あぉおおおおっ?」
その姿は逞しい男根で床に縫い付けられた昆虫標本の様だ。
無様な兄の前にかがみ、妹はどことなし醒めた笑顔で除き込む。
「ねぇにぃに…『血の繋がってない他の女』とセ○クスして気持ち良かった?」
「…申し訳…ありま…せん…マイ…プリンセス。」
武留亜に前立腺を打ち下ろされる翔は害虫を見下ろすかのような妹にたどたどしく謝罪する。
「おかしいな…私はにぃにに『謝れ』なんて『命令』してないのに…なんで謝るのかな…私が聞いた事には明確な回答をしなさい…ウジ虫。」
真麗愛が翔に叩き付ける氷点下の笑顔。
「…気持ち…良かったんでしょう…この裏切者の…ウジ虫野郎…。」
滞りなき乱交で市花の『すごく…大きいです』仕様ディルドに破裂寸前まで拡張されながら、出流はヤンデレ真麗愛を目の当たりに、本能的な萎縮反応で睾丸が陰嚢の内側に避難する。
「アレでいいんだ、ああでなきゃ真麗愛は正気を保てない。」
出流を掘りながら市花が呟いた。
兄を弄ぶ真麗愛・・・
今度は高見沢賢治に貫かれ悦びの声を上げる椿・・・
出流もまた市花に尻を犯され、その小ぶりなショタ◯ンをしごきあげられ射精する。
そして、快楽に意識を半ば飛ばされながら、出流は悟った。
この狂宴は誰も狂っていない。
自分の奥底にある狂気やどす黒い感情、それに欲望に皆真っ直ぐに向き合った結果であるだけ・・・
彼らの強さの根源こそ、そうなんだろう・・・
出流が椿と再会した時、彼女が精神的におかしくなったように見えたのもそうじゃなかった。
彼女も己の隠された内面に向き合い、その闇から這い上がってくる過程だったのだ。
様々な事を悟り、出流の心は軽くなっていく感覚になった。
そして、彼も己の隠された内面の闇を覗きこむ事ができるようになったのだ・・・
その夜、純華のベットルームにて・・・
裸で抱きあう純華と出流。
出流の満足しきった屈託ない表情は、囚われた何かから開放された表情だった。
「姐さんは・・・」
出流の純華に対する呼びかけは、実姉小夜子に対する口調と変わらぬものであった。