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がくにん
官能リレー小説 - 学園物

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がくにん 7

さて、どうしたものか……

「えっと、お昼での話しでしたね。確か放課後担任に来るよう言われましたね」

影介は、場を混乱させない様に誤魔化して言った。

その結果、周りは「なんだ、呼び出しかぁ」と影介への不審は逸れはしたが、逆に双樹の方が疑問符を浮かべていた。

「え?えっと……あの……」

双樹は何のことか影介に聞こうとしたが、言い終わる前に影介は出入り口の方に向かっていた。

「あ!宗像君、待って下さい!」

双樹は慌てて、影介の下へ向かって行った。

先に廊下に出ると影介の後を追って双樹が付いて来る。

「あの!宗像君、さっきの教室で言ってた事はどういう……」

「ああ、気にしないでいいですよ。教室で言ったのは周りを誤魔化す為の方便ですよ」

「え、方便ですか?」

「ええ、後、周りの視線も痛かったですから」

「そうですか……」

(やれやれ、彼女は今一つ自分の魅力を理解していないみたいだな)

「まぁ、それより、話す場所として屋上にいきましょうか?」


「屋上……ですか?」

「ええ、昼頃ならまだしも態々放課後に屋上に来る人なんていませんから、話し合いには最適だと思いますよ」

「……そうですね。分かりました」

そして二人は屋上に向かった。

二人が屋上に出ると、影介は双樹に向き直り、口を開いた。

「さて、屋上です。話しがあるんでしたよね?その話しって何ですか?」

「あ、はい、えっと、あの……」

双樹は顔を赤らめ、何やら緊張した面持ちで、体をモジモジさせている。

そして双樹は、意を決したのか、はっきりと答えた。

「好きです!つ、付き合って下さい!」


双樹の予想外の告白に、影介はその身を膠着させた。

しばらくの沈黙の後、口を開いたが聞き返すのがやっとだった。

「え〜と、逢坂さんの様な美人さんにそう言って貰うのは嬉しいですが、何故ですか?自分で言うのもなんですが、根暗だし、成績は至って普通で、運動神経だって良くはありません。僕の様な地味で目立たない根暗より、もっと良い人が居ますよ」

影介は双樹に対し、自分を遠ざける様な口調で言う。

別段、影介は彼女を嫌っていない。寧ろ好意を抱いていると言ってもいいだろう。

しかし、彼女を遠ざけるのには理由があった。それは影介の家系にある。

以前も述べた様に、影介の家系は現代にも生き続ける忍者というかなり特殊な家系だ。

裏社会において、宗像の名は勧善懲悪を掲げる誉れ高い名であると同時に畏怖の名でもある。

故に、私欲満載の権力者や政治家、暴力団の多くは宗像を快く思わない者ばかり。それ故に命を狙われる事も多くある。

自分に関わると彼女も危険に晒す事になる。だから彼女をこちら側の世界に来させる訳にはいかない。

何より、彼女に血生臭い世界は似合わない。

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