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がくにん
官能リレー小説 - 学園物

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がくにん 51


バスケやバレーはチームワークと作戦が肝である。
しかし体育祭でのサッカーならば、勝敗は個人の力によるところが大きい。そこで活躍すれば、完璧美少女である双樹の彼氏として周囲に少しは認められるだろう。

サッカーに七人(点数が入りやすくするための特別ルール)、テニスに七人(シングルス三組、ダブルス二組)、バスケに五人、バレーに六人(バスケ、バレー共に男女別々)である。また、それぞれの競技に補欠が二名まで許されている。
つまり、影介がサッカーに出場するためには九名に含まれなければならない。

しかし、この二年三組は基本的に体育会系が多い。そのうえ文化部に所属している者や、帰宅部の者の中にも高いポテンシャルを有する者達がいる。
つまりはクラスの男子達のほとんどが花形たるサッカーへの参加希望をするのだ。
実際、文化部所属の四人以外の男子、十六人が立候補した。
9/16。確率は低くはないが、これまで体育に手を抜いていた影介には少々、きつい。

「では次にテニスです。参加者の最終決定は児玉先生と酸漿君、山津さん達が決めます。だからって賄賂とかはダメですよ?」

双樹のジョークにクラスが和んだ。

そんな感じで各競技の立候補を募っていた双樹と酸漿だが、バレーとバスケの立候補を募った瞬間にある違和感を覚え、双樹がぽつりと口にする。

「今年は女子もやる気がありますね……」

隣で聞いていた酸漿だが、彼はその理由が解っていたためすぐに返答する。

「宗像の影響だな。先程君が大声で愛を叫んでいたが、それでも諦め切れない魅力を今の宗像に感じているのだろう」

少し前の失態(?)を突かれ赤面する双樹。酸漿は更に続ける。

「加えてこれは君には嬉しくない情報だろうが、宗像の噂はもう学年に広まっているらしい。今年は各クラスでテニスとチアリーディングの倍率が高くなるだろうな」

酸漿の言葉に不安を感じ、思わず視線を影介に送る。

視線に気付いた影介は双樹に微笑みを向け、それを見た双樹も落ち着きを取り戻す。

(そうだ。影介君も私を受け入れてくれたのだから、もっと自信を持たないと……。影介君は浮気なんかしないはずです!)

双樹が気を入れた所で各競技の立候補が揃ったらしく、双樹は改めて会議を進める。

「さて……バスケとバレーは男女共に立候補の数がピッタリなので後は、その中で補欠メンバーを決めてください。問題はサッカーとテニスですが……酸漿君、どうしましょうか?」

サッカーのみならずテニスも人数の集中が見られ、決めかねた双樹が酸漿に知恵を求める。
ちなみにかく言う双樹もちゃっかりテニスに立候補していたりする。

「ふむ……ではこうしよう。今日の放課後はサッカー部の活動が無いために校庭が使える。そこでセレクションを行い、メインメンバーの七人を決めよう」

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