PiPi's World 投稿小説

がくにん
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 45
 47
の最後へ

がくにん 47

とてつもないイメチェンをして、学園のアイドルと一緒に登校した影介が無事、理事長室に辿り着けるかは疑問ではあったが、この時の影介はこの問題を予想だにしていなかった。




それからも影介は嫉妬や殺意の念がこもった視線から解放されず、居心地の悪い中、上履きに履き替え、やっと二年三組のドアの前へと着いた。
クラスの人間は自分が双樹と一緒に教室に入ったら、いや今の姿で入るだけでも相当なリアクションをする事だろう。

しかしそこは覚悟を決めた身。双樹の為にもこの試練を越えねばならない。影介は意を決して教室のドアを引く。



……大量に不審な視線が突き刺さる。
それも当然。見知らぬ生徒が双樹と一緒に教室に入って来たのだから。

教室の男子生徒一同は見知らぬ怨敵に敵意の視線を向けながら誰なのかを探る。
思わずまたも冷や汗をかいてしまうが影介は双樹を連れて自分達の席へ座る。




……その瞬間、教室は凍り付く事となった……。



(ば、馬鹿な!あれがあの根暗な宗像だとっ!?)

(そ、双樹さん……何故宗像なんかと一緒に!?)

(うそ!?あれが宗像君なの!?ちょっと格好良いかも!!)


驚愕の余り敵意を向ける事すら忘れてただ呆然とするクラスメイト一同。

小声で話してるつもりでも驚きで自然と大きくなってしまう声が影介と双樹の耳にも届く。

影介はやはり嫌な汗を流すが、双樹は影介の良さに気付いた女子達が影介を見ている事にむしろ嬉しさを感じていた。



(今更影介君の良さに気付いたって遅いですよ。だって影介君はもう私の彼氏さんなんですから……)

影介の恋人として影介が良く思われるのはやはり嬉しい。それに、今なら仮に誰かが影介に近付こうとも心配も無い。

ほんのり桜色に頬を染めながら影介の方を見ると、教室の異様な雰囲気に気圧されている影介が目に映る。

双樹は椅子を影介の席に近付けると小声で

「きっとすぐに収まりますから大丈夫ですよ……」

と言いながら微笑みかける。

影介は双樹の微笑みを見て心を落ち着け、そもそも自分と双樹が恋仲になったのは誰にも責められる物では無い事に改めて気付く。

だが教室の男子達は……



(な、今の笑顔は間違い無く最高級の極上品!それを独り占めするとは……!!)

嫉妬と羨望を混ぜたオーラが影介に降り懸かるが一度心を落ち着けてしまえば何とも思わない。影介はどこ吹く風で一限を待つ。そこへ……


「皆様、おはようございます」

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す