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がくにん
官能リレー小説 - 学園物

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がくにん 42


「ん?あぁ、ごめんごめん。ちょっと考えててさ」

……正直な話、双樹のうなじに見惚れていただなんて言えないし、実際考え事はしていたのでそう言って逃げる影介。

「考え事……ですか?」

「うん……。学校で自分を偽るのは止めようかな、って思ってさ」

「えっ……?でも……」

「あぁ、もちろん俺が忍者なのは言わないよ。ただ外見的な面とかだよ。
出しゃばるとかじゃなくて、本当に普通の生徒として生活しても別に大丈夫かな?って思ってさ」


そう。これを考えていたのだ。

今までは存在を隠すかの如く影の薄さを重視していた。だが双樹とこうして恋仲になって、その考えに少し変化が生まれたのである。

「はっきり言って俺と双樹が恋人になった事を最後まで隠し通すのは無理だと思う。だから、俺はバレた時に自分が双樹の恋人だと胸を張って言えるようにしたい……」

「でも……それで大丈夫なんですか?」

双樹の心配も尤もである。影介の考えは出来る限り姿を隠す忍者としてあるまじきもの。

だが影介は決心していた……。

「確かに俺は宗像家の忍者……。でもそれ以上に俺は『宗像影介』なんだ。逢坂双樹を愛する一人の男なんだ。だから俺は……嘘をつきたくない」

内心の葛藤がありながらもそう宣言した影介に双樹は笑顔を向けると

「私は嬉しいですよ……」
と答えた。

「ところで影介君?」

話題を変える空気を出して尋ねる双樹に影介は答える。

「ん?なんだい?」

「もう一回抱いてもらったら気持ち良くなれると思いますか?」

「ぶふぉぁっ!?」
湯舟の湯を掬って顔に付けていた影介は双樹の予想だにしない質問に動揺する。


「な、何をいきなり……?」

滑稽な程動揺する影介に双樹は悪戯っ子な表情を崩さない。ニコニコしたまま影介の言葉を待つ。

「俺も少しは余裕が出るだろうし……頑張って気持ち良くなってもらえるようにはするよ……」

気恥ずかしそうに答える影介に、双樹は満足気にしな垂れかかりながら言う。

「今日は体が辛いので、残念ですけど次の機会にそうしてもらいますね」

それを聞いて影介は気恥ずかしくなるのだった……。

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