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がくにん
官能リレー小説 - 学園物

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がくにん 43


入浴してさっぱりとした二人は部屋にて涼んでいたが、つとに影介は双樹に尋ねる。

「ねぇ双樹。ちょっと頼みがあるんだけど……良いかな?」

「はい?何ですか?」

影介から頼み事をされるのは驚いたが、むしろ喜々として双樹は返す。

「髪を切ってもらいたくて……自分じゃ出来ないからさ」

「私、髪を切った事なんてないけど……良いんですか?」

意外な頼み事ではあったが、そこは影介の頼み事。断る理由も無いので双樹は影介の髪を切る準備を始めた……



「こんな感じで良いですか……?」

鏡の前に影介を立たせて仕上がり具合を尋ねる双樹。
鏡に映る影介の髪は前髪を始め全体的にバランスが取れた髪型に切り揃えられていた。

「うん、良い感じ。ありがとう」

満足した影介がそう答える。
影介自身は美男子という事はない。ただ決して不細工ではなく、見る人が見れば格好良いと思う程度である。つまりは平均ちょい上に行くか行かないか。

しかし影介の魅力とは、月並みではあるがその性格である。双樹も無論影介の性格に惹かれている。

今までは影介に見向きもしなかった(影介がそうさせなかったのもあるが)女子がこれで影介に振り向く可能性はある。
『自分を偽らない』と影介が言った以上他の女子との交流も出来るだろう。

しかし双樹に不安は無かった。そんな事態を一発で収めるプランを既に彼女なりに考えていたのである。



ふと時計を見ると夜の7時。女子寮の門限である。それに気付いた影介は双樹に

「7時だけど、寮の門限は大丈夫なの?」

と尋ねる。すると双樹は

「外泊の許可は取ってあるから大丈夫ですよ?」

と、しれっと答える。さらには少し大きめのバッグの中からパジャマを取り出すと、さも当然のように影介のベットに畳んで置いた。

続いてエプロンを取り出してキッチンへと向かうと

「さて、夕ご飯を作りましょうか!」

と意気込んで料理を始めてしまった。

状況が掴めずしばし立ち尽くしていた影介であったが、

「ほらほら、ぼ〜っとしてないで手伝ってください!」


と笑顔を向けてくる双樹を見て穏やかな表情を浮かべると、自身もキッチンへと歩いて行った……




「ごちそうさまでした」

「はい。おそまつさまです」

双樹が作った夕食を平らげて手を合わせる。メニューはご飯に味噌汁、肉じゃがに漬物と和風。

何よりお嬢様である双樹が料理を得意とする事に内心影介は驚いていた。

双樹曰く、

「昔から料理は得意なんですよ。寮に入ってからは基本的に自炊ですしね」

とのこと。

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