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がくにん
官能リレー小説 - 学園物

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がくにん 33

目的地を定めた影介は双樹の無事を願い、犯人への怒りを湛えながら走るスピードを速めた……。



……双樹はうっすらと意識を取り戻した。

(ここは……?)

回りを見渡すために体を起こそうとして自分が口に布を巻かれ、尚且つ縛られている事に気付く。

「お目覚めかな?双樹さん」

自身に呼び掛ける声の方向に視線を移すと、パイプ椅子に腰掛けながら満足気に自分を見下ろす男に気付き、その人物を見て双樹は驚く。

(ひ、久田先輩!?)

久田義隆(ひさだ・よしたか)……この葵坂学園の生徒会会長にして剣道部の主将である人物。
整った容姿に抜群の運動神経。成績も優秀な『葵坂学園のプリンス』と呼ばれる男である。

「僕は君をずっと想っていたのに、君は学園でワースト一、二を争う程の男に告白したそうじゃないか?」

誰にも言っていなかった事を知られている事実に双樹は驚く。

「正直屈辱だったよ……。君には僕こそが相応しいと思っていたのに君は僕じゃない誰か、しかもあのダサい根暗男ときた」

自身の想い人を侮辱され双樹は義隆を睨み付ける。
「今まではゆっくりと時間をかけて君を僕のものにしようとしたけどもうやめだ。君が僕に振り向かないなら僕に逆らえなくすれば良い」
そう言うとポケットから一枚の写真を取り出し双樹の足元に投げる。

そこには入浴直後の裸体である双樹が映し出されていた。途端に双樹の顔が青ざめる。

「君を盗撮する協力者なんて探せば幾らでもいる。写真を入手した後はSPを使って君を掠おうとしたが何故か失敗してしまい、僕が直接動くことにしたのさ」
今の義隆の発言からも想像出来るが、この男は世界を股に掛ける貿易会社である『久田貿易』の御曹司である。単純な家柄で言えば双樹をも越えるのだ。

「さて、と。もう君に逆らう権利が無いのは理解できたよね?」
そう言うと義隆は双樹の前に膝立ちとなり、手を伸ばすといかなり双樹のブラウスを引き千切った。

「!?」

双樹は必死に体を動かし抵抗するがその甲斐も無く下着も剥ぎ取られ、その豊かな丘陵が露になる。
「抵抗しても無駄さ。鍵は何重にもしたしここは三階。諦めて身を委ねるのが賢い選択さ」

下卑た笑みを浮かべながら義隆は双樹の双丘を鷲掴みにする。
「大きさといい形といい……最高だな。これを自分の物に出来ると考えるだけで笑いが止まらないな」
一切の遠慮無く双樹の双丘を弄びながらそう口にする。次いで片手が下に下りて来た。

「さて、それじゃあ下も拝ませてもらおうかな?」

(嫌……影介君……影介君助けて!!)

ガスッ!!


義隆の手がスカートの中に入ろうというその瞬間、義隆の手に何かが突き刺さる。
鈍い光を発する黒いそれは、紛れも無い苦無であった。

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